2011年6月8日（水）～10日（金）の3日間、東京・新宿の京王プラザホテルにおいて、第23回日本肝胆膵外科学会学術集会を開催しました。「高度技能の習得と継承」をメインテーマとし、消化器外科で最も高難度である肝臓・胆道・膵臓領域の卓越した外科医の育成を目指しました。特に、手術手技を中心としたビデオセッションでは、各施設の優れた技能が披露され、非常に活発な討議がなされました。

 8年間に発足した新しい臨床研修医制度等の影響によって全国的に外科医が不足し、多くの外科系学会が会員数の減少に陥っている中、本学会は唯一会員数が増加しております。消化器外科領域では、日本外科学会専門医制度の上に、日本消化器外科学会専門医制度がありますが、本学会では、3年前に肝胆膵外科・高度技能専門医制度を発足させ、これら二つの制度の上に位置する3階建て部分として、高度な技術を持った外科医を育成しています。本学会の会員数の増加は、高難度手術の専門家を目指す高い志を持った外科医が増えていることの現れと推察されます。このため、今回は、過去最高の2000名近い参加者があり、会場は熱気に溢れていました。また、本年は高度技能専門医が初めて誕生する年であり、厳しいビデオ審査に合格した12名に認定証が授与されました。このような記念すべき学術集会を主催できましたことは、当講座が長年にわたって行ってきた臨床・研究の業績が評価されたものであり、大変名誉なことと存じます。