東京医科大学 消化器・小児外科学分野

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ロボット支援下胃切除

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東京医科大学 消化器・小児外科学分野(消化器外科・小児外科)
講師 岩崎謙一

胃癌に対する低侵襲手術

当院胃外科では、病変の位置や進行度により、患者様に最適と思われるテーラーメイドな外科治療を提供しています。根治性、機能温存、低侵襲をモットーに開腹/腹腔鏡/ロボットのアプローチ下に、早期胃癌に対する機能温存手術や低侵襲手術から、高度進行胃癌に対する定型的D2胃切除、胃全摘、膵頭十二指腸切除、膵尾部脾合併切除術、腹腔鏡下・胸腔鏡下での中下縦郭郭清、傍大動脈リンパ節郭清まで行っております。

 ・局所切除:     胃の部分的な切除
 ・幽門側胃切除術:  胃の出口である幽門を含んだ胃切除。胃の約2/3の切除
 ・噴門側胃切除術:  胃の入り口である噴門を含んだ胃切除。胃の約1/2の切除
 ・胃全摘術:     胃の全切除

特に、当院では根治性と機能温存および低侵襲を追求した体に負担の少ない腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術を積極的に行っています。創の小さい低侵襲手術(腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術)は術後の痛みが少なく早期回復が期待でき、様々な消化器外科手術で普及しております。すべての胃切除術に対応可能であり、術後の生活の質や体への負担を考慮し、あらゆる年代の患者さんにお勧めできる手術を提供しております。

ロボット支援下手術

当院では胃癌に対する「ロボット支援下胃切除術」を導入しています。ロボット支援下手術の特筆すべき利点としては、鉗子の柔軟性にあると言えます。ヒトの手首以上の可動域、柔軟で"手ブレ"のない正確さ・緻密さは指先にも勝る繊細な動きを有し、従来の腹腔鏡下手術のような動作制限がない点が特徴として挙げられます(下図1)。その他に、高精細3D画像により(下図2)、細部の手技が正確に行え(下図3)、手術合併症を減らすことが期待されています。

図1
図2
図3

機能温存

当院では、早期胃がんの患者さんには治癒を前提として、胃の機能温存に注力しています。早期癌では切除する範囲を縮小して治療に問題ない部分を残せる場合があり、当院では、機能温存手術(幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術)という体に優しい手術を積極的に行っています。胃切除後には体重が10-20%程度減少することが知られており、とくに胃をすべて摘出する胃全摘では、著明な体重に伴い、術後の生活の質に大きく影響することが報告されています。そこで当科では、外科医の手術手技のみならず消化器内科とも連携し、的確な術前診断や手術中の内視鏡検査をもとに通常胃全摘が必要と判断されるような症例でも、胃亜全摘術や噴門側胃切除術で可能な限り胃を温存するよう取り組んでいます。

再発に対する挑戦

胃癌術後の再発胃癌の予後は残念ながら極めて不良であり、長期生存につながる予後規定因子は明らかにされていません。近年、がんの予後を左右する因子として、がん組織内に侵入する自律神経が注目されています。特に、癌の再発と自律神経の関係はトピックスとして大きな注目が集めています。当院の胃外科では、胃癌に対し手術を施行された患者さんのデータを集め、解析し、胃癌の再発と自律神経の分布・優位性に相関関係があることを発見しました。この発見は現在特許申請中であり(出願番号:特願2021-182587)、われわれはこれを用いて、術後の再発率の低下や再発後の患者さんの生存期間の延長を目指し、集学的な治療を続けています。

科学研究費助成事業
「胃がんにおける自律神経の分布が予後にもたらす影響について」
研究課題番号 21K16459
代表研究者 岩崎謙一

お問い合わせ

東京医科大学 消化器・小児外科学分野(消化器外科・小児外科)
講師 岩崎謙一
電話 : 03-3342-6111(代表)
メールアドレス:

(患者さんの診断・治療方法に関するご質問は、当院での診察もしくはセカンドオピニオン外来にてお答えいたします)

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