東京医科大学 消化器・小児外科学分野

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主任教授挨拶

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東京医科大学
消化器・小児外科学分野

主任教授 永川裕一

 東京医科大学外科学教室は100年以上の歴史があり、消化器・小児外科学分野(旧:外科学第三講座)は、外科学教室の再編に伴い1956年に誕生しました。長い歴史の中、多くの先輩方の様々な思いによって作られてきた伝統ある教室であり、当分野の一員であることを心から誇りに思います。

 当分野ではあらゆる疾患に対し、最高水準の医療を提供できるように、1)食道・胃外科グループ、2)肝胆膵外科グループ、3)大腸外科グループ、4)小児外科グループの4グループに別れ、各領域のエキスパートによって診療・研究・教育に取り組んでおります。

 診療では、腹腔鏡下手術・ロボット支援手術などの低侵襲治療を積極的に行っております。食道癌におけるロボット手術は本邦でいち早く導入しており、膵臓領域におけるロボット手術件数は本邦で最も多く、全国から多くの患者さんが紹介されております。また直腸癌におけるロボット手術を執刀できる外科医の数は国内の中でトップクラスであり、小児外科領域で行われている先天性胆道拡張症のロボット手術では、当科は各施設への指導的役割を果たしております。また「決してあきらめない治療」をスローガンに、進行した各臓器の癌に対し最新の集学的治療を積極的に行っております。

 研究では、外科学における新たな研究に取り組むべく、ロボット手術によって可能になった手術のデジタル化を応用したデータサイエンスや手術支援システム開発を目的とした研究に、分野をあげて力を注いでおります。また、各消化器癌の治療成績をさらに向上させるため、新たな個別化医療として人工知能(AI)を用いた術後再発因子の予測に関する研究や、最適な治療法を選択するためのprecision medicineの開発に関する研究を、中堅、若手研究者が中心に積極的に行っております。

 教育では、従来の外科教育プログラムに加え、より洗練された教育体制を整えております。後期研修医(専攻医)を対象に、当分野独自の教育カリキュラム「メンター・メンティー制度」を導入し、個別指導を充実させています。また様々な状況に総合的に対応できるエキスパートを育て上げるため、領域グループが密接に連携している当分野の特性を活かし、各臓器の手術技術を習得した後に、それぞれ領域の専門医を育成する教育プログラムを構築いたしております。ロボット支援手術や高難度手術を習得するアドバンスド教育プログラムでは、将来、大学病院などの高度先進医療機関で活躍する高度な技能をもつ外科医の育成に取り組んでおります。今後もさらに教育プログラムの充実を図って参りたく思っております。

 すべての医局員が働きがいを感じ、誇りに思う教室を皆で作りあげる。そして大学病院としての社会的使命を果たすべく、最高水準の医療を患者さんに提供する分野であり続けたいと思っております。引き続き皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

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