東京医科大学 消化器・小児外科学分野

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大腸がんについて(検査、診断、手術、治療について)

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大腸がんについて(検査、診断、手術、治療について)

当科では、下部消化管(大腸外科)グループとして検査常時6-8名体制にて診療にあたっております。
初診から検査、診断、手術、術後までを一貫して診療することで、決して諦めない治療を検討しています。

大腸がんとは

 大腸は食べ物が最後に通過する腸管で、有名な盲腸から始まり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸から直腸に至ります。がんにはそれぞれ”顔つき”がありますが、大腸がんのほとんどは「腺癌」で、まれに「扁平上皮癌」「腺扁平上皮癌」などがあります。また、その他の腫瘍として「神経内分泌腫瘍(NEN)」「間葉系腫瘍(GIST)」「リンパ腫」などがあり、手術を中心とした様々な方法で治療を行います。以下、最も一般的な「腺癌」についてお話します。
 大腸がんは食生活の欧米化などに伴い近年増加傾向にあり、高齢者が中心ですが若年者でも増加傾向にあります。比較的ゆっくりと進行するため早期に手術を中心とした適切な治療を行えば治癒が期待できるがんです。しかし、進行すると根治(完全に治ること)が非常に困難となります。進行するまで無症状の患者さんが多いため「大腸がん検診」の受診が重要です。進行すると

 「お腹にしこり」
 「血の混じった便や、黒い便」
 「便秘、下痢」
 「細い便」
 「腹部の痛み、張り」
 「食欲不振、体重の減少」
 「貧血症状(だるさ、息切れ、動悸、顔色が悪い)」
などの症状が出ることがあります。

 早期がんの多くは、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)による治療で完全に治癒することができるため、早期に発見することが非常に大切です。さらにがんが進行すると、近傍のリンパ節や離れた臓器に転移し増殖するため、手術が必要となります。ただし、進行した状態で発見されたとしても大腸がんの場合には複数の治療法が存在しますので、患者さんに合った方法で諦めずに病気に立ち向かうことができます。

進行度とステージ

大腸がんの治療を決める因子として、以下の因子をもとにした進行度(ステージ)があります。
 T : 壁深達度(腫瘍が浸潤する大腸の壁の深さ)
 N : リンパ節転移(腫瘍近傍のリンパ節への転移)
 M : 遠隔転移(腫瘍から離れた臓器への転移)
大腸がんには0期から4期までの病期(ステージ)が存在します。壁深達度が進むに従い病期が0期から2期まで変わっていきます。リンパ節に転移があると病期は3期に、肝臓や肺などに遠隔転移があると病期は4期へと進みます。

0期 がんが粘膜の中にとどまる
Ⅰ期 がんが固有筋層にとどまる
Ⅱ期 がんが固有筋層の外まで浸潤している
Ⅲ期 リンパ節転移がある
Ⅳ期 血行性転移(肝転移、肺転移)または腹膜播種(ふくまくはしゅ)がある
大腸癌研究会編「大腸癌治療ガイドライン 2019年版」(金原出版)より作成

手術治療

 切除が可能な進行大腸がんでは、手術が治癒を目指すうえで中心となる治療です。当科では、腫瘍の位置や進行度、患者さんの全身状態、これまでの手術歴などを総合的に判断し、以下の方法から適切な術式を選択します。
・ロボット支援手術
・腹腔鏡下手術
・開腹手術

経験豊富な外科医によるロボット支援大腸がん手術

 当院では、大腸がんに対して2010年からダヴィンチサージカルシステム(INTUITIVE社)を導入し、長年にわたり日常的に行ってきております。2026年7月現在、ダビンチXi 2台、ダビンチ5、ダビンチSPの計4台が稼働しています。ダビンチSPは、1か所の小さな切開から複数の器具を挿入して手術を行う単孔式手術に対応したシステムです。
 大腸がんのうち、2018年から直腸がん、2022年から結腸がん手術がロボット支援手術の保険適用となり、当科でも4台のロボットを駆使して現在では2025年には、原発性大腸がん手術240例のうち228例(95.0%)をロボット支援下手術で実施しました。

 ロボット支援手術では、拡大された三次元画像や多関節機能を有する鉗子を用いることで、狭い骨盤内などでも精緻な操作が可能となります。当科では、これらの特徴を生かし、低侵襲で安全性に配慮した手術を目指しています。そして、我々は、他の臓器や組織にがんが浸潤しているようながんに対しても、病状に応じてロボット支援手術を用いた拡大手術も検討しています。一方、拡大手術の中でも、根治性(治ること)を担保しながら、排尿機能や排便機能などの機能温存にも力をいれており、根治性を追求するとともに、排尿・排便機能などの機能温存にも配慮し、治療後の生活の質(QOL)の維持・向上を目指しています。

詳細は

をご覧ください。

化学療法(集学的治療)

 当科では、患者さんを診断時から術前・術後、再発時まで、切れ目なく継続して診療させていただいています。

直腸癌に対する集学的治療

 特に直腸がんは、結腸がんと比べて局所再発(がんの周りの再発)や遠隔転移(肝臓や肺などの遠隔臓器)が高く、病状に応じて手術の前に術前化学放射線治療や放射線治療、化学療法を行ってから手術を行うこともあります。治療がよく効いた場合には、画像や内視鏡検査で腫瘍が確認できない状態になることもありますし、そうでない場合でもその後に手術をすることで再発率を低減することができます。このような、手術だけではなく、手術の前に化学療法(抗癌剤治療)や放射線治療を組み合わせた集学的治療を駆使することで、よりよい治療をご提供できると考えています。

術後補助化学療法

 手術後は、切除した組織の病理検査結果(顕微鏡検査)に基づいて再発リスクを評価します大腸癌はステージによって手術後の再発率は変わりますが、手術後も確実に診療を継続し、ステージ3や一部のハイリスクのステージ2の方には再発を予防するための補助化学療法をご相談の上で行い再発防止に努めています。治療中も副作用を丁寧に確認しながら、継続できるよう支援します。

再発・切除困難な大腸がんへの治療

 また、残念ながら再発してしまった場合や、ご来院頂いた段階ですでに手術ができないほど進行していた場合でも、当科にて継続して化学療法(抗癌剤治療)や放射線治療、重粒子線治療などを駆使して諦めずに治療の可能性を探ります。ほとんどの患者さんは、抗がん剤の副作用について不安を感じていますが、大腸がんの抗がん剤治療で用いる薬剤は種類が多くあり、個人差はありますが、副作用をほとんど感じない患者さんもいます。当院では適切な検査結果に基づいて、患者さんと相談しながら、様々な抗がん剤の中からその方に適した治療法をご提案します。(個別化治療)
 大腸癌の抗癌剤治療も日進月歩であり、当初は手術による根治ができない場合でも、抗癌剤治療により手術できる状態にしてから、手術で根治を狙うconversion手術も集学的治療として積極的に行っております。当科では、診断時に切除困難と判断された症例についても、化学療法等により腫瘍の縮小が得られた場合には、手術による根治切除を再検討するconversion surgeryを行うことがあります。

おわりに

 これまでご紹介したように、当科の下部消化管グループでは、初診から検査、手術、さらには手術のあとまで、一貫して自科で診療をすることで、決して諦めることなく治療を行います。質の高い、体に優しい手術はもちろん、手術以外の治療も組み合わせて最適な治療を患者様やご家族とともに考えていきます。

西新宿の地でがんに挑む 「大腸がん」もご覧ください。

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