東京医科大学 消化器・小児外科学分野

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ロボット支援下肝切除

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熟練したエキスパートによって行うロボット支援下肝切除術

肝臓は横隔膜に囲まれて存在する最大の実質臓器であり、また血液に富んでおり、非常に出血しやすく、これまで肝臓の手術を安全に行う際には、非常に大きな創で行う必要がありました。そして、大きい創は、術後の疼痛や癒着につながり、術後の回復にも影響を与えてきました。一方で、創の小さく、繊細な手術操作が可能なロボット支援下手術は、術後の痛みが少なく早期回復が期待でき、様々な消化器外科手術で普及しております。肝切除術においては、特に高度な技術を要するため、一部の限られた施設で行われるようになってきていますが、まだ広くは普及しておりません。当院では、肝胆膵外科手術およびロボット支援下手術の熟練したエキスパートにより手術を行っております。

ロボット支援下肝切除術

肝切除術は、肝臓の腫瘍に対して行われる手術です。この術式に対する内視鏡外科手術は、2010年に肝部分切除および肝外側区域切除が保険収載されました。そして、2016年には、胆道あるいは血行の再建を行わないすべての腹腔鏡下肝切除術が、そして2022年には、ロボット支援下肝切除が保険収載されております。本術式は、繊細な動きの可能なロボット鉗子を使用することで、創が小さいだけでなく、肝臓の授動(剥離)範囲を最小限にとどめら状態で肝切離が行うことができるなど、体に優しいだけでなく、肝臓にも優しい手術として期待されています。
一方で、従来の開腹術のほうがより確実に手術を行える疾患があります。ロボット支援下手術の適応は、チームカンファランスにて、疾患や患者さんの状態などから、患者さんに対し有用と判断される場合に、本術式を行っております。

ロボット支援下肝切除術

ロボット支援下肝切除術は、内視鏡下に血流の豊富な肝臓を切除するため、止血しながら切離を可能とするロボット手術機器(エネルギーデバイス)に熟練している事が必要不可欠です。そして、肝臓の予備能を術前に十分評価した上で、切離範囲を決める必要があります。さらに肝硬変を併存した方では、肝臓の予備能や切除の可否、切離方法をより慎重に検討し、肝機能を最大限に温存する切離法が重要です。
当院では、シナプスビンセントというソフトを使用して、撮影したCT画像から肝臓・脈管・腫瘍の位置を3D画像に立体構築し、その切除予定容積をシュミレーションした上で、至適な切除範囲を決めております。

さらに、安全にロボット支援下手術を行うため、最新の技術も導入しております。ICG(インドシアニングリーン)という薬剤は、肝臓の予備能を測定するため、使用する薬剤です。近年腫瘍にICGが集積する特性や切除領域の血流を遮断して、術中にICGを投与することで、切除する部位が描出される特性を生かした蛍光ナビゲーション手術が可能となっております。最新のロボットに搭載されているFireflyモード(蛍光イメージングシステム)を活用して、より正確で安全確実な肝切除ができ、患者さんのメリットに繋げられるような手術を日々行っております。

ロボット支援下手術で使用されるダビンチサージカルシステムは、3D画像、手ぶれ防止機能、多関節機能など内視鏡外科手術をやりやすくするために開発されました。このシステムは肝実質切離、血管処理、止血などのために行う縫合操作に極めて有用であり、精度の高い肝切除を可能にしました。当院では、ロボット手術の特性を活かすべく、患者さんの疾患や状態から適切な適応のもと、安全な手術を行っております。

ロボット支援下肝切除術の適応疾患

悪性肝腫瘍
 肝細胞がん
 転移性肝がん
 肝内胆管がん など

良性肝腫瘍
 肝血管腫
 肝嚢胞
 肝細胞腺腫 など

お問い合わせ

東京医科大学 消化器・小児外科学分野(消化器外科・小児外科)
電話 : 03-3342-6111(代表)
メールアドレス:

(診断・治療・手術方法に関するご質問は、当院での診察もしくはセカンドオピニオン外来にてお答えします)

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