膵臓|対応疾患

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安新型コロナウィルスによる肝胆膵外科グループの対応

新型コロナウィルス(COVID-19)による医療機関の対応により、胆道癌、膵臓癌、膵臓腫瘍の患者さんの治療や手術に極力影響しないよう、ベストの治療方針をチームカンファランスにて検討し、われわれのスタッフが派遣し高度な治療や手術を関連病院で行うなど、様々な対応をいたしております。また患者さんやご家族のご心配をなるべく取り除くべく対応も適宜行っております。

また新型コロナウィルスの感染により亡くなられた方々とご遺族のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、現在も闘病中の患者様および対応にあたられているすべての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

東京医科大学
消化器・小児外科学分野
主任教授 土田明彦

メールでのお問い合わせ:
消化器・小児外科学分野
准教授 永川裕一
naga@tokyo-med.ac.jp

膵臓

東京医科大学病院の膵がんに対する取り組み、治療成績、臨床試験 ⇒ こちら

腹腔鏡下膵切除術 ⇒ こちら

膵臓の基礎知識

 膵臓は胃の後にある長さ15~20cmの細長い臓器で、右側を膵頭部、中央を膵体部、左側を膵尾部と呼びます。膵臓の主な働きは、食べ物の消化吸収に作用する消化酵素を産生する機能(外分泌機能)と、主として血糖調節に働くインスリンなどのホルモンを産生する機能(内分泌機能)があります。

 消化酵素は腺房細胞と言われる細胞でつくられ、膵管上皮細胞で構成される膵管を通って十二指腸へ運ばれます。またインスリンなどのホルモンはランゲルハンス島細胞でつくられます。これら各々の細胞から、様々な種類の腫瘍が発生します。通常、膵がん(浸潤性膵管がん)と呼ばれるものは膵管上皮細胞から発生し、膵臓に発生する腫瘍全体の80%以上を占めます。
 その他に膵管上皮細胞から発生する膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性嚢胞腫瘍があります。また腺房細胞から発生する腺房細胞がん、ランゲルハンス島細胞から発生する膵内分泌腫瘍などがあります。それぞれの腫瘍、がんにより治療方針は異なります。

膵がんについて

膵がん(浸潤性膵管がん)の基礎知識

 日本では、毎年22,000人以上の方が膵がんで亡くなっており、現在もなお増加傾向にあります。死亡数増加は罹患率の高い高齢者が増加していることが最も大きい要因です。有効なスクリーニング検査法がなく、がんの進行がとても早いことから早期発見が困難ながんです.手術が最も有効な治療法ですが、その治療成績は、いまだ満足するものでなく、新たな治療法開発のため様々な研究が行われています。

膵がんの症状

 早期の段階では、ほとんどの方が無症状です。進行すると腹痛、背部痛、黄疸、体重減少などが出現し、さらに進行すると腹水や悪心、嘔吐、吐下血など様々な症状が現れます。また、内分泌機能も障害されると口渇、多飲、多尿などの糖尿病症状があらわれます。とくに糖尿病の患者さんで急に血糖コントロールの悪くなった方は膵がんが発生していることがあり注意が必要です。膵がんの進行はとても早いので、上記の症状が出現した場合は、早めに検査を受けることをお勧めします。

膵がんの診断

●血液検査
 アミラーゼ、エラスターゼなどの膵酵素やビリルビン、r-GTPなどの肝機能、CEA、CA19-9、DUPAN-2などの腫瘍マーカーなどの異常がみられることがあります。

●腹部超音波(エコー)検査
 手軽で侵襲の少ない検査です。腫瘍自体を発見したり、腫瘍によって生じる主膵管や胆管の拡張を描出でき、膵臓がん発見のきっかけになることが多い検査です。しかし,腹部のガスや脂肪により描出が不良になることがあります。

●CT検査
 腫瘍自体を発見できるほか、がんがどの程度進行しているか調べることができます。膵がんの診断には必要不可欠な検査法です。

●内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)
 内視鏡を使って膵管を造影し、膵がんを診断することが可能です。また膵管のなかの細胞を採取し、病理検査を行うことでがんか否か調べることもできます。

●超音波内視鏡(EUS)
 内視鏡の先に超音波が付けてあり、膵臓に近い位置から超音波検査ができ、小さいがんを検出することができます。

●MRCP
 膵管や胆管を描出することができるMRIです。侵襲が少なくERCPに匹敵する膵管や胆管の情報を得ることができます。

●超音波内視鏡下穿刺吸引組織診(EUS-FNAB)
 超音波内視鏡をつかって細い針で腫瘍を穿刺し組織を採取します。採取された組織は病理検査でがんか否か調べます。

膵癌の病期(進行度分類)

 膵臓癌の拡がり方には、他の癌と同様に浸潤、転移、播種の3つがあります。こうしたがんの広がり方と程度から各病期(進行度)に分類され、治療方針が決まります。

膵がんの外科治療

 外科治療のうち、がんを完全に切除する手術を根治手術といいます。他に優れた治療法がないことから、根治手術ができるか否かが、膵がんの治癒率に大きく左右します。

- 膵頭部がんに対して
 膵頭部、胃の一部、胆管、胆嚢、十二指腸、空腸の一部を切除する膵頭十二指腸手術を行います。
- 膵体部/膵尾部がんに対して
 膵体尾切除術を行います。
- がんが膵臓全体に拡がっている場合
 膵全摘術が行われます。

 いずれも高度な手術のため、専門の病院で治療されることをお勧めします。手術件数が年間20-30以上の施設(high volume center)は術後合併症が低く、治療成績が良いとされています。当科では年間約100例近い膵手術を行っており、手術件数は年々増加しています。

補助化学療法

 治療成績向上のため、根治手術後にティーエスワン、ゲムシタビン(ジェムザール)という抗がん剤を投与する術後補助化学療法が行われております。当科では、積極的に術後補助化学療法を行っており、近年の治療成績は以前と比較し大きく向上しております。また近年では、手術成績向上させるため術前化学療法が注目されており、当科では現在臨床試験を行っております。

化学療法、放射線、免疫治療

 手術不能の場合には化学療法、放射線治療、化学療法と放射線治療の併用療法や黄疸や疼痛などの症状を和らげる対症療法が選択されます。化学療法は主にゲムシタビン(ジェムザール)やティーエスワンといった抗がん剤が使われています。

お問い合わせ

東京医科大学 消化器・小児外科学分野(消化器外科・小児外科)
電話 : 03-3342-6111(代表)
メールアドレス : geka-3@tokyo-med.ac.jp