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学会・研究会の報告

第171回東京医科大学医学会総会

投稿者:内野

カテゴリ : 学会

 第171回の東京医科大学医学会総会は、麻酔科学講座と医学教育学講座が当番講座となって本会の運営にあたらせて頂くことになった。今回の医学会総会は国際的な視野で医学教育を考えていく必要性に迫られているため、医学教育にかなり重きを置く形となった。医学会奨励賞受賞講演3題、医学会投稿論文奨励賞受賞講演1題、さにはポスター66演題、留学報告3演題、国際学生交流として6演題を御発表頂いた。特別講演として、小児科学講座 河島 主任教授から「小児の急性脳症の現状」という演題で、インフルエンザ脳症の現状と診断・治療のために重要と思われるポイントが述べられた。また、国際医学情報学講座 Jeremy Williams主任教授からは「The role of an International Medical communications departments」と題して医学英語にいかに習熟していくべきかを現状とその改善点を踏まえてお話を頂いた。日本人は、校閲業者を過信しすぎており、日本語を翻訳してもらったものを疑わないという現状があるた英語の論文を投稿した際に「Native Checkをせよ」という指摘をしばしば受けてしまう。しっかりと英文校閲のできる人が日本にはほとんどいないのが現状であることも述べられた。幸いなことにWilliams主任教授は、自分が2-3年で医学英語教育を改善させて東京医大の医学英語力を底上げしたいという心強い抱負も述べて頂けた。どちらも大変興味深い演題であった。さらには、招待講演として東京医科歯科大学・医歯学教育システム研究センター長の奈良 信雄 先生から「医学教育の質・保証-日本医学教育認証評価評議会の発足と活動‐」と題して御講演を頂いた。なぜいま、世界標準の医学教育が必要なのか?世界標準の医学部を目指すために医学教育の質をいかに担保していくべきか?など今後のクリニカルクラークシップ開始に向けて大変ためになる御講演となるものと思われた。一般演題は、麻酔科からは長島先生、鈴木先生、井門先生がそれぞれの結果を発表してくれた。どの発表もとても立派なものであった。また、今回医学生の国際交流事業としてアジア、ヨーロッパの併せて6大学に9名の学生が1か月間滞在して臨床実習を体験してきた。彼らも、一回り成長してしっかりと発表をしてくれていた。今回は、例年になく多くの演題を応募いただき、充実した総会となった。本会の運営にお力添えをいただいた、麻酔科学講座教室員、医学教育学講座ならびに大学関係各位の皆様にあらためて感謝を申し上げたい

 

 

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