東京医科大学 麻酔科学分野

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主任教授の挨拶教室紹介

未来の医療を担う麻酔科医の育成を目指して

 令和8年2月1日より、東京医科大学 麻酔科学分野 主任教授を拝命いたしました中澤春政です。

 本学における麻酔科学の歴史は、昭和34年に三宅 有先生のもと麻酔科が編成されたことに始まり、昭和38年には麻酔科学教室が開設されました。昭和40年に三宅先生が初代教授に就任されて以来、一色 淳 二代目教授、内野 博之 三代目教授へと、教育・診療・研究の理念が受け継がれ、現在に至るまで長い歴史と伝統が築かれてきました。このような教室の歩みの上に立ち、本分野を率いる重責を担うことに、大きな誇りとともに身の引き締まる思いでおります。

 麻酔科学は、手術などの侵襲から患者の安全を守る学問として発展してきました。近年、ロボット手術や低侵襲心臓手術、血管内治療など、手術医療は著しい進歩を遂げています。それに伴い、医療機器やモニタリング技術も急速に高度化し、麻酔科医にはこれまで以上に高度な知識と技術、そして状況を的確に判断する力が求められています。
 さらに麻酔科医の専門性は、手術時の麻酔管理にとどまらず、外傷や感染、疼痛などさまざまな生体侵襲に対応する医療へと広がり、集中治療医学、ペインクリニック医学、緩和医療など、多様な領域で重要な役割を担うようになっています。麻酔科学は、周術期医療を中心に医療全体を支える基盤的な学問として、その重要性をますます高めています。
 一方で、麻酔科医に対する社会的ニーズが高まる中、全国的に麻酔科医不足が深刻な課題となっています。このような状況において、麻酔科学の魅力と社会的意義を次世代に伝え、患者安全を守る確かな知識と技術を備えた麻酔科医を育成することは、大学病院が担うべき重要な使命であると考えています。

 東京医科大学では、ロボット手術、低侵襲心臓手術、血管内治療をはじめとする先進的な手術が数多く行われており、幅広い症例を通して高度な周術期管理を学ぶことができます。また、集中治療やペインクリニックの各分野にも専門性の高い医師が在籍し、それぞれの領域で質の高い医療と体系的な教育を実践しています。周術期管理のみならず、多様な臨床領域を横断的に学ぶことができる点は、本分野の大きな特徴の一つです。
 また、本分野では医局員が長く安心して働き続けることができる環境づくりにも力を入れています。とりわけ、出産や育児などで一度臨床を離れた女性医師が復職しやすい体制を整え、柔軟な働き方を支援することで、多様な人材が活躍できる教室を目指しています。互いに支え合いながら学び、成長していく温かい医局の雰囲気も、本分野の大切な特徴です。

 麻酔科医は、手術の安全を守るだけでなく、集中治療、疼痛管理、周術期医療を通じて医療全体を支える重要な役割を担っています。私たちは、確かな知識と技術、そして患者さんに寄り添う姿勢を備えた麻酔科医を育成することで、安全で質の高い医療の実現に貢献していきたいと考えています。
 医学生や研修医の皆さんには、ぜひ本学において麻酔科学の奥深さと魅力に触れていただきたいと思います。本分野が、若い医師にとって「ここで学びたい」「ここで成長したい」と思える場所となるよう、診療・研究・教育のさらなる充実に努め、未来の医療を担う麻酔科医の育成に全力で取り組んでまいります。

東京医科大学 麻酔科学分野 主任教授
中澤 春政

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