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学会・研究会の報告

日本麻酔科学会関東甲信越・東京支部第52回合同学術集会に参加して

投稿者:田上

カテゴリ : 学会

軽井沢駅から会場のホテルプリンス軽井沢ウエストまで歩き、受付を済ませた。昨夜濵野、石崎、荒井先生たちの協力で改編され素晴らしく生まれ変わった瀬田先生のポスター「後天性第Ⅱ因子凝固因子欠損症患者の麻酔管理」まだ貼られていなかったので、「特訓するからポスターを貼ったらメールをするように、」とのメールを出した。

シンポジウム 「デスフルランを使いこなす」はデスフルランの沸点は1気圧化23.5℃であることや、わずかな温度変化で蒸気圧が大きく変わるために気化器の内部を39℃に加熱している。デスフルランの吸入同度を急にあげると交感神経を刺激して血圧や心拍が同化することや、気道刺激があり小児の緩徐導入には使用できないこと、覚醒が早く脳脊髄手術で手術後早く回復や障害の有無を確認したいときには便利なこと、手術室回転が速くなりカナダでは全身麻酔の第一選択になっていることを学んだが、術後の痛み対策は必須のようだ。

 途中、11時前にメールあり、ポスターの前で瀬田先生の特訓となった。まず自分が発表のお手本を示した。次にS田先生が予演し、予想される質問と対応など事細かに話しあった。横で国際医療福祉大学病院の加藤先生がじっとポスターを見ておられた(我々の話を聞いておられた)が、後で調べたら瀬田先生セッションの座長だった・・・。

 共催セミナーでは「最新の輸液戦略と低侵襲血行導体モニタリング~「輸液反応性」というピットフォールに落ちないために必要なこと~を聴講した。最小限度に必要な輸液に必要時必要な輸液を加える「目標指向型循環管理」が最近のトッピクであるが、その使用になるSVV(一回拍出量変化)だけでなく、一回拍出量や心拍出用の適正化があってのSVVである。演者の一人である小竹先生の話は何回か聴く機会があったが、少しずつ自分も理解できてきたように思う。

DSC03257f.jpg 昼食後、ポスター発表前半があった。瀬田先生はトップでの発表。特訓の甲斐もあり、堂々の発表で質問も予想範囲を超えず、座長の加藤先生からはお褒めの言葉もいただいた。問端先生の「肺血栓塞栓症合併妊娠の帝王切開の周術期管理」は、この問題を有する患者の管理をアルゴリズムで示しながら、どの段階にあっても不測の事態に備えを準備していることを示した。

午後からは、PBLD(Performance-based Learning and Development)の「巨大ブラを」有する患者に対する肝切除術の麻酔および周術期管理」と「緊急帝王切開の麻酔法の選択」を聴講し、質問に答えた。ブラと気胸の鑑別が難しいことや、緊急帝王切開の麻酔法が全身麻酔から脊椎麻酔にシフトしてきていることを学んだ。

ポスター発表後半戦は、優秀演題賞にノミネートされた荒井先生の「Airway Approach Algorithmに基づいて気道管理を検討した口唇舌海綿状血管腫の一症例」がある。しかし発表は一番最後(トリ)であった。最初の先生の発表後の質問の嵐を見て、自信を無くしかけた荒井先生を慰めるのは自分の役目。「最後は皆疲れているから、質問もいじめるようなのはないよ・・・」と言い落ち着かせた。

荒井先生の発表も堂々としたもので、時折見せる笑顔は質問攻めをしようと腕まくりした先生方の心を穏やかにしたようだ。無難に質問にも答え、学会は終了した。

DSC03259.JPG上田市で開業されている同門会幹事長の森先生ご夫妻、軽井沢で開業されている佐藤先生のご招待で、軽井沢のレストランで食事をすることになった。内野先生、宮田先生、石田先生、荒井先生と自分の8名でテーブルを囲み、安心して食べて飲んだ。軽井沢高原ビールで乾杯の後、黒糖酒、芋焼酎と続いた。新幹線の時間を後にずらしていたので、ゆっくりとして良かった。料理を写真にとることも忘れ、ひたすら食べて飲んで話しをしていた。写真は食事が済んでタクシーを待っているときの写真。石田、荒井先生はひとつ前の新幹線で帰ったので写っていない。御馳走になりありがとうございました。

中央線に乗ったのは良かったのだが、そのまま爆睡して目覚めたのは武蔵小金井だった・・・。

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