東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

Staff Room

学会・研究会の報告

日麻地方会「レミフェンタ」

投稿者:石崎

カテゴリ : 学会

獨協の山口先生の「レフィフェンタニルを活かした麻酔」を聞いてきました。
脳外科の緊急手術が多く、血圧上昇を防ぎながらのRSIを求められることが多い施設だそうです。
レミフェンタニル2mcg/kg、プロポフォール1mg/kg、ロクロニウム6-9mg/kg投与し、1分後の挿管で血中カテコラミン濃度の上昇もなく、BISも上がらないというデータが紹介されていました。

最後に、高容量レミのボーラス投与による徐脈・心静止についての質問がありましたが、
アトロピンを先行投与させ、プロポフォールを最小限に抑えることで、頻度を少なくするような工夫をされているそうです。
それでも、心静止はたまに経験するものの、それほど長く続くものでもなく、どうしても挿管時に血圧を上げたくないような症例では、やはり高容量レミが有用とのお答えでした。

プロポフォールを減らせるので、挿管時の血圧上昇だけでなく、挿管後の血圧低下も防げます。
RSIだけでなく、通常の麻酔導入や、心機能が低下した症例でも有用な方法だと思いますので、この投与方法に慣れ親しんでおくことは良いことでしょうね。

もう一つ、アウトレットの誘惑もに負けず、「DAS抜管ガイドライン(医科歯科・中澤先生)」を聞いて来ました。これについては、いずれ勉強会で紹介したいと思います。

一覧へ戻る