東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

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学会・研究会の報告

ESA参加報告 第一報

投稿者:内野

カテゴリ : 学会

6月9日~12日までヨーロッパ麻酔学会がESAで行われ、当科からは、私を含む2名(臼井先生、鈴木先生)が参加した。

今回は、日本麻酔科学会と開催日が重なっていたため日本からの移動が大変であった。9日に神戸でシンポジウムを午前中こなして東京にとんぼ返りして羽田からパリへエールフランスで向かった。11時間後の10日の朝6時にシャルルドゴール空港に到着したが、入国審査場が人であふれており、入国に大変時間を要した。やっと手荷物を引き取り、凱旋門行のバスに乗るためにバス乗り場に直行した。バス乗り場を現地の人に聞いたがとても不親切な対応をされ、到着早々フランスの印象は悪くなってしまった。バスに乗って45分で凱旋門に到着し、歩いてホテルに向かった。ホテルの玄関で、今回宿泊するホテルが以前(2004年)に泊まったことのあるホテルであることに気づき、当時の悪い印象(エレベーターに正面を向いて乗れない、ベッドが汚い、食事がひどかった等)が甦った。ところが、8年経って経営者が変わりエレベーターや部屋の内装もすべて綺麗になっていた。ただ、食事は、当時とほぼ同じであった。食後、歩いてコンベンションセンターへ向かい、登録作業をコンピューターでしているところに鈴木先生が来られました。私が登録を日本でしていなかったので心配されていたようでした。無事登録を終了し、会場へ!Airway managementのセッションは満席で入れなかったため、展示会場へ移動しました。Massimoのパルスオキシメーターのブースでは、SpO2とHbが測定できる機器を売り込んでいました。鈴木先生で測定、Hb15.2g/dlとややヘモコンか?IMG_3496.JPGIMG_3498.JPGCerebral oximetry in cardiac procedures and beyond?を聴講、サンドイッチとリンゴのランチが配給されました。ビーチチェア体位では麻酔中に脳の血流が低下することがあるため、脳血管の異常有する人に於いて脳梗塞に注意すべきであることが示唆されていました。、さらにHemodynamic monitoring in the ORの部屋に移動し、ユトレヒト大学のBhure教授と再会し、お土産を渡しました。16時~17時mでのポスターセッションで臼井先生が「The influence of anesthetic agents on mitochondrial function as determined by high-resolved respirometry of human blood cells」という題名で発表しました。臼井先生は、原稿を一切読ます、アカペラでポスターを説明し、とても素晴らしい発表に感動しました。すばらしい!ポルトガルのグループが似たような研究をしていたのか我々の結果を大変気にしていました。

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無事にポスター発表を終えてほっと一息!でも、実に堂々と発表してくれて大変うれしかったです。お疲れ様でした。

実は、この日の夜にあるメーカーが日本人を夕食に招待してくれていたため待ち合わせ時間 まで、向かいのホテルのCafeでお茶を一杯!

19時にバスに乗ってオルセー美術館の近くのレストランへ移動。日本からは、東京歯科大学の小板橋先生たちが参加されていました。

まずは会場について食前酒を飲み、そのご着席してディナー開始かと思いきや!なんと企業の代表の挨拶が1時間30分もあり、その間、ゲストは皆待たされていました。9時くらいにようやく夕食がスタートしました。IMG_3503.JPGIMG_3504.JPGディナーの一品目は、さけの燻製にソースをつけて食べるというものであったが、このソースがいままで経験したことのない味で(おそらくマツヤニではないだろうか?)魚の味が台無しという感じであった。

第2品目は、スズキのポアレにソースがかかっていたが、見た目と味は大きくかい離しており、フランス料理は日本人には合わないのではないかと思ってしまった。

 デザートもお世辞にも日本人向きとは感じられなかった。とても期待していたのに残念!

参加したみなさん!フランス料理はどうだったでしょうか?

 

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結局、夕食会が終了したのは12時近くで なんとも、長いあいさつと食事会に疲労困憊!

ホテルに戻り、お風呂に入ってようやくほっとしました。

そのまま、熟睡していました。

翌日は、7時に起床して朝食を食べてから、学会場へ歩いて向かった。昨日の夕食より朝食がはるかにおいしいのはなぜだろうか?自分の味覚がおかしいのか?それともフランス料理がおいしくないのか?学会場は、ホテルからは、15分の距離でシャンゼリゼ通りに沿って下っていく感じである。途中には、レストラン、スーパーマーケット、お土産やなどが並んでいてとても楽しい。実はフランスにくるといつもお腹の調子が悪くなってしまう。途中で薬局に寄って事情を説明すると、ニューキノロン系の抗生剤の入った整腸剤を勧めてくれた。この薬は、2004年のときもお世話になった気がした。早速、内服してみた。次の日から症状は改善!不思議だ!途中のパン屋さんでサブレを買ってみた直径が15㎝もある大きいものであった。お菓子はおいしいとかなりの期待をこめて食べてみたが、味は、残念ながら我々の期待とははるかに遠いところにあった。

学会の朝一番のシンポジウムに参加して「Sepsis and organ failure:How do I manage?」を聴講した。心不全、肝不全、腎不全のメカニズムとその対応が3名の演者から述べられた。

ユトレヒトのKnape教授の講演を聞こうとしたが、うまく時間が調節できずに聴講できなかった。

ただ、Buhre教授とHoff医師に再開できたので記念撮影をした。IMG_3514.JPGIMG_3550.JPG

この日の午後は、パリ市内の病院でデスフルランを実際に使用する現場を見学させてもらいたいとB社に以前からお願いしてあった。B社がパリ市内の病院に掛け合ってくれてSaint-Antoine病院に連れて行ってくれた。バリ市内のはずれにあるこの病院は、整形外科、消化器外科を専門医手術する病院でおおよそ700床くらいの規模である。

他の外科の手術は他の専門の病院において行われるという分業制になっていた。          

病院に向かうとBisseaur教授が笑顔で出迎えてくれた。彼は、医療経済学を得意としており、いかにすれば病院は医療効率を上げられるかを研究していた。手術室は、正直なところかなり古く、先進的ではなかったが、一日に50件近い全身麻酔手術をおこなしていた。また、神経ブロックも行っていた。訪れた日には、肝臓移植の手術が行われていた。デスフルランは低流量(1l以下)で用いる形が取られ、酸素濃度は58%写真のように3.2%前後で維持されていた。意外とおおざっぱだという印象を受けた。手術後のPACUでの持続皮下注入の実際を見せてもらった。患者さんに尋ねると痛くないと答えていた。

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IMG_3599.JPG ほとんどの症例はデスフルランで麻酔管理されており、TCIを用いることはまれで、セボフルランもほとんど使用しないとのことでした。

病院見学を終えて学会場下の「サロン・ド・テ・アンジェリーナ」へ行きました。ここは、モンブランの有名なcafeです。オーストリア人の菓子職人 アントワーヌ・ランペルマイエが南仏ニースのヴィクトル・ユーゴー通りに、ウィーンの香り漂うケーキや 砂糖菓子などを製造販売する店を開いたのが始まりです。日本にも直営店があります。プランタン銀座に第1号店が誕生し、現在東京を中心とする直営店はプランタン銀座が運営しています。モンブランを食させていただきました。モンブランは、かなり甘い!紅茶はおいしいと思います。

この日は、臼井先生と学会場近くの「シェ・ジョージ」というレストランに行き夕食を食べました。ここも、おいしかったです。なぜ、昨日のレストランとあれだけ味が違うのかよくわかりません。果たして、フランス料理はおいしのか否か?夕食は、いまのところ、1勝1敗というところでしょうか?

明日は、午前中学会に参加してからモンペリエにTGVで向かいます。結構しんどいけれどがんばろう!

 

 

 

 

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