臨床麻酔学会報告(ポスター発表編)
2011.11.12
投稿者:武田
カテゴリ : 学会
少し遅くなりましたが、報告します。
今回、私は発表もなかったので、発表した先生方の奮闘記を書かせて頂きます。
11月3日、早朝の飛行機で沖縄に向かいました。
渋谷先生と同じ飛行機のはずでしたが、
待てど暮らせど乗り込んで来ません。
飛行機のドアが閉まり、電源を切るために携帯を覗き込んだら
「寝坊しました」
とメールが来ていました。
そんな渋谷先生を置き去りにして、飛行機は飛び立っていきました。
那覇は真夏です。日差しの角度が東京とは比べ物になりません。
急いで日焼け止めを塗り、レンタカーに安藤先生と勇内山先生を乗せ、
一路コンベンションセンターへ。
沖縄は信号待ちが長いです。
一度引っかかるとなかなか動きません。
そんなことにも気付かずに後部座席では
安藤先生が「一人予演」を始めました。
予演を始めたと思ったら、お菓子を食べています。
(ちなみに、そのお菓子のゴミは最終日に後部座席で発見しました)
なんとも呑気な後輩たちを乗せ、会場に着きました。
宮田先生の発表と、田上先生の徹底討論には間に合いませんでしたが、
ポスター発表には間に合いました。
午後の発表は安藤先生です。
ステントグラフト術後に一過性の下肢麻痺を来した1症例。
脊髄虚血の予防には平均血圧を保つという方法がありますが、
この症例では複数の動脈瘤があり、
血圧上昇に伴い胸痛も出現したため昇圧も難しく
安藤先生らしく、発表時間をフルに使うという肝っ玉の大きさを見せてもらいました。
11月4日
この日も快晴です。学会さえなかったら・・・
と思った人もたくさんいたのではないでしょうか?
この日の発表は久保田先生と板橋先生でした。
久保田先生の発表は完全にど忘れしてしまってました。ゴメンナサイ。
片側の気管支攣縮を起こした1症例というものでした。文献的にも症例数が少ないケースだったようですが、気管内挿管のために行ったリドカイン噴霧が原因だった様です。上手にまとめられていました。
終わった瞬間に間欠泉のように汗が噴き出してきました。見た感じ平然と喋っていたようですが、きっと緊張していたんでしょうね。
縦隔腫瘍の麻酔管理についてでした。
今回の発表では片側の胸腔内をほとんど占めてしまうような腫瘍の摘出術でした。小児の分離肺換気は年齢が低いほど、呼吸・循環管理が難しくなります。左室が圧排されてしまうほどの腫瘍だったようですが、TEEを使い管理したそうです。
そして3日目の11月5日、新人くんたちの発表はこの日に集中していました。
トップバッターは口腔外科の池畑先生、
チューブエクスチェンジャーが舌根部を持ち上げていたため、最初の抜管では予測できなかった、
「チューブエクスチェンジャーは気道開通を保証するものではない」という締めくくりが印象的でした。
初めての発表とは思えないくらい、堂々とした発表でした。
次に発表したのは臼井先生。
緊張のあまり、水→トイレを繰り返していました。
頸椎固定術後に気道閉塞を起こした1症例。
確かにこれは苦しいね、と予演会でも話題になるくらいの前屈位での固定です。
ほとんど同じ内容の発表がありましたが、堂々と発表していました。
質問が集中してしまい、目が泳いでいて少し可哀そうになりましたが、強力助っ人・医局長が助け舟を出してくれました。
そしてラストバッターは主砲・沖田先生です。
ポスターを貼った後に「お腹が空きました~」とどこかに行ってしまいましたが、ちゃんと発表時間には戻ってきていました。
全体的に声の小さな発表者のなか、
遠くでも聞き取れるくらい大きな声で発表していました。硬膜外麻酔施行後に意識消失・呼吸停止を来した1症例、術後の精査で頸部の血管狭窄が見つかった、というものです。
途中、少し噛んでしまい、応援者全員が爆笑する中、何事もなかったかのように喋り続ける度胸に感服です。
臨床麻酔学会では1例報告が多く見られます。
確かに、ケースをまとめた統計的な発表も勉強にはなるのですが、個人的には「その患者さん、どうなったんだろう?」と思ってしまうことも多いので、経過の分かる症例報告が私は好きです。
特に「合併症」や「まれな症例」のセッションは、眺めているだけでも勉強になります。また機会が頂けたら、臨床麻酔学会は参加したいなと思いながら、帰路に着きました。
おまけ、那覇空港のマッサージ屋さん、武田リサーチでは5人は立ち寄っています。あいさつの後にいきなり握手を求められたのに、全員戸惑ったそうですが、フライト前の癒しの時間を過ごしたようです。
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