東京医科大学

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学会・研究会の報告

臨床麻酔学会の報告(極めて私的に)

投稿者:田上

カテゴリ : 学会

那覇空港に着くとスコールの直後のようで湿った暖かさを感じました。30年近く前に訪れたグアムを思い出したのですが、亜熱帯から既に熱帯になっているのでしょうか。一人800円プラスで歌や踊りのショ-が楽しめるというホテル近くの沖縄料理の店に行ってみました。ショーなしの一階はお客さんで賑やかでしたが、案内された二階は閑散としていました。3.11以来お客さんが大分減ったそうです。パフォーマンスは素晴らしく、自分は手まで骨折するのではないかと思うくらい手拍子や拍手をおくりました。気持ちは伝わるものです、ショ-の終了後記念写真を撮ってもらいました。

 学会一日目、参加登録後内野先生が座長で、牛島先生や宮田先生が発表するシンポジウムに行きました。牛島先生の発表は良くまとまっており理解しやすいイントロダクションでした。途中で自分が発表する「徹底討論」の会場に移動したので、宮田先生の発表は聴いていません。しかし内野先生と一対一での予演会は横から聞いていたので、きっと素晴らしい発表だったことと思います。

 ペイン・緩和ケアの徹底討論の座長は大瀬戸先生と佐賀大の平川先生でした。平川先生は熊大の後輩(と言ってよいのでしょうか?)で、親しくさせていただいています。発表は前任地での20年間を振り返って、麻酔科医が麻酔科が関わってきた緩和ケアと緩和ケア病棟について紹介し、緩和ケアを麻酔科医が得られることなどについても言及しました。数名の先生たちから質問を受け、討論終了後も質問を受けました。質問されるとそれだけ自分の話の内容が伝わった証しでもあり嬉しいものです。

 発表後、講座の後輩たちのポスター会場に行き、ポスターの出来栄えを見て回りました。予演会の時よりも、内容が練られており出来栄えも良くなっていました。指導医の指導が良かったのでしょう。

1104うずりんの外で.jpg 夜の部は、郷土料理の「うりずん」というお店に東京医科大学と関連病院の先生たちが集まって開かれました。自分は家内も連れて行ったのですが、若い医局員たちとも若い?話題で話していたようなので一安心しました。松村先生、臼井先生お世話になりました。泡盛も堪能させてもらいましたが、横で家内がブレーキをかけていました。

 学会二日目、9時から日本ペインクリニック学会の用語委員会がラクナガーデンホテルで開催されました。朝食まで準備されての委員会で、いくつかの議案が検討されましたが、長野赤十字病院の萩原委員長の準備された資料や丁寧な議事進行は素晴らしく、時間内に終了しました。用語集の第4版や用語(解説)事典の準備など、これから忙しくなりそうですがやりがいを感じます。消化器外科におけるロボット支援手術の招待講演を拝聴しましたが、どこでも最初の手術は時間がかかるようです。次世代のロボットは自動車教習所並みのインストラクター機能のある器械が登場するようなので期待したいと思います。しかしロボット支援手術をするには手術室がどこも手狭で苦労しているのは事実のようです。

 学会中の観光も少しは?許されるでしょう。ホテルに戻り、レンタカーを借りて、沖縄北部の美ら海水族館に向かいました。右足がギプスに入っているので運転は家内にお願いしました。那覇から約80㎞、約60㎞が高速道路です。時々雨が降ってきましたが、1時間半で水族館に着きました。海邦博覧会の会場にできた?水族館のようでサメとマンタ(大きなエイ)が有名だそうです。お客さんも多く、遠くに見える伊江島がきれいで、故郷の種子島と馬毛島を思い出しました。帰りは2時間20分も要しました。特に高速道路を下りてからJレンタカーまでが渋滞で、ひやひやしました。レンタカーを返却後、学会主催の懇親会に出席するために急いで会場に向かいました。懇親会会場では、東京医大のメンバーや熊本大関係の先生たちとも会うことができました。

1104須加原会長を囲んで.jpg須加原会長は熊本大の先輩で、親しくお話しできました。この会の準備で5kg体重が減ったそうです? ご苦労様です。実行責任者の垣花先生には「これまでの中でも群を抜いて素晴らしい学会」と絶賛させていただきました。東邦医大佐倉病院の田上(たがみ)先生は20年前から弟さんが自分と同じ名前なのが縁で親しくさせていただいています。学会でしか顔を合わせることはないのですが、お会いすると楽しく話しをしています。後輩の先生たちを、森岡先生や須加原先生に紹介しましたが、話しが弾んでいるようでした。中締めで帰るのがちょっと残念になるような素晴らしい懇親会と思ったのは私だけだったでしょうか?

 学会三日目、朝から雨が降っていましたが、骨折した右足をビニールで包み、アーリーバードセミナーを受講しました。続いて楽しみにしていた「米国のacademic anesthesia departmentの現状と問題-日本は米国の失敗から学べるか?」を拝聴しました。UCSFの橋本先生の講演は衝撃的な内容でした。とは言え、20数年前からその兆候はあったと思います。米国では大学などの教育病院麻酔科で研修プログラムを選択するレジデントの時に、臨床、教育、研究のどれを将来メインにする研修プログラムを選択するかを決めるそうです。年々研究を選択する麻酔科医が減少し、自らの科でオリジナルの研究者を育てることのできない麻酔科が増えていると言います。NIHのグラントを持った研究者を採用する(買う)ことで研究を継続することも多いそうです。リサーチマインドを持っていない臨床麻酔科医が増えて教育機関には残らず、開業にシフトするので大学病院のマンパワーに問題が生じます。東京医大の社会人大学院制度などはその対策としては有効と思えるのですが、どうなのでしょうか?自分はリサーチマインドを持とうと教育機関に戻ってきたのですが・・・。

 1106池端先生発表前.jpg後輩のポスター発表を見届けることができました。発表前は随分緊張していたのですが、堂々の発表だったと思います。沖縄そばのサービスを受け空港に向かい、空港では「ゴーヤ」を1本(300円也)買って自分用のお土産にしました。(東京のピーコックでは298円だった・・ショック!) お留守番の先生方、ありがとうございました。

 

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