東京医科大学

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学会・研究会の報告

臨床麻酔学会2011速報

投稿者:宮田

カテゴリ : 学会

臨床麻酔にいってきました。今回は沖縄滞在時間20時間の強行軍でしたが、とても勉強になる講演を聴いたので紹介します。岡山大学の江木先生の糖尿病患者の周術期管理です。
内容もさることながら、発表の仕方、スライドの作り方、ストーリー性どれをとってもすばらしかったです。久々に講演を聴いて感動しました。
私もこのようなプレゼンテーションができるよう精進したいと思いました。
内容は以下のとうりです。

糖尿病の診断、コントロールはHbA1c、空腹時血糖、食後2時間血糖で評価する。

糖尿病の診断基準の変更について

どの程度まで術前にHbA1cをコントロールした方がよいかは不明だが、術前血糖コントールを早急に1ヶ月程度で行うと予後が悪い。術前に糖尿病科にコンサルトするとき注意が必要。(1ヶ月程度でHbA1cを正常化すると予後が悪くなる)

術前はケトン体(−)、尿糖10g/day程度、血糖200mg/dl程度のコントロールでよいのではないか(エビデンスはないが)

術後血糖管理

Leuven study Nice-Sugar Trialの結果がどうして違ったか

投与カロリーの違い (ブドウ糖の投与量のちがい)

投与経路の違い(経静脈栄養vs完全静脈栄養)

現在のcritical care consensusからは早期経腸栄養がよく、投与カロリーもあまり多くない方がよい

非糖尿病患者では、144-180mg/dlが妥当

 糖尿病患者ではどうか

Leuven studyでは糖尿病患者でIITをおこなうと予後不良となる

血糖は200mg/dl以下ぐらいでコントロールするのがよいのではないか

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