周術期体液・代謝・侵襲研究会
2011.08.09
投稿者:武田
カテゴリ : 学会
8月6日、炎天下のなか、第9回目となる研究会に参加してきました。
私自身、参加は3回目ですが、今回も興味深い内容でした。
第1部は周術期のアルブミン投与についてのPro & Conでした。
アルブミン派の松田先生はSIRSのような病態では血管内皮細胞がアルブミンを食べてしまうので
補充が必要だ、とコメントされ
一方アンチ・アルブミン派の宮尾先生は
炎症の急性期にはアルブミンは血管外へ漏出してしまうので、
アルブミンより分子量の大きなコロイドが必要であるとコメントされていました。
結局、どちらがいいのか結論は出ませんでしたが、
「頭部外傷にアルブミンはお勧めしない」という点では一致されていたようです。
第2部の術前飲水管理では、近年話題のERASについての研究結果についてでした。
禁飲水群と飲水群では、導入時の誤嚥や胃内容のpHに有意差は認められないとのことでした。
予定手術、とくに午後の手術では午前の手術の状況次第では朝から夕方まで
禁飲水を余儀なくされることもあります。
入室時に「のどが渇いて」と言われることもあります。
点滴で脱水の補正はできていても、患者さん本人の口渇感はかなりあるようです。
ERAS導入には外科医の理解や病棟への周知など、まだまだ壁はたくさんありそうですが
実現出来たらいいなと思いました。
第3部の術前糖質投与に関する報告は、当院でも行われた研究の結果報告でした。
術前の糖質投与が術中・術後のインスリン抵抗性を改善する傾向にある、といった内容のものでした。
私の座っていた位置からは、細かいデータは見えませんでしたが、
詳しく知りたい方は、野口先生までどうぞ。
私個人的には、徳島大学の二川先生の特別講演が興味深かったです。
「宇宙では1日の滞在が1カ月の寝たきりに相当し、これが1年間の老化に匹敵する。
だから宇宙飛行士は早く老ける」という衝撃的な始まりでした。
骨格筋を形成・成長させるシグナルが宇宙では働かなくなってしまうとか。
「オバマ大統領は火星に人を飛ばすと言っていたけど、火星への往復には2年かかるから大変だ」
と言っていました。予防には筋力トレーニングと大豆食がいいそうです。
大塚製薬が主催とあってSoyJoyが紹介されていました。
そして休憩時間にホールへ出ると、テーブルの上にはSoyJoyが置かれていました。
「企業の戦略だね」と言いながら、しっかり戦略にのっかり
勇内山先生とSoyJoyをいただいてきました。
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