東京医科大学

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学会・研究会の報告

緩和ケア講習会

投稿者:武田

カテゴリ : 研究会

6月25・26日と、東京医大病院で行われた「がん診療に関わる医療者のための緩和ケア」講習会に参加してきました。
この緩和ケア講習会は、東京医大と慶応大学の持ち回りで開催されている講習会で、東京医大、慶応大学からの参加者が多く見られましたが、診療所の先生や理学療法士など、多方面からの参加がありました。
25日(土)は緩和医療全般についての講義とロールプレイが行われました。特に午後からのロールプレイが印象的でした。
「切除不能な癌」であることを告げられる、というものでしたが、もちろん私は告げたことも、告げられたこともありません。お芝居と分かってはいても、医者役の先生(普段と同じように話してくれたようです)の話に頭が真っ白になり、その後の話が頭に入って来ないという、まさに「患者」になってしまいました。何度も説明をする、「癌」という言葉を使うのは最初だけ、一緒に治療をしていく姿勢をみせる、そのような対応によって患者は医師に信頼と希望をもてるようになると感じました。(もちろん、患者役の私の感想です)
隣のグループでは、医者役の看護師さんのムンテラが迫力ありすぎて、患者役の先生が涙するという場面もありました。
「悪いニュースを伝える時」、告げる医師も告げられる患者もどのような事を考えながら相手と向き合っているのか、考えさせられる一日でした。
26日(日)は講義が中心の講習会でした。緩和医療の中心となる、痛みの治療の副作用である消化器症状、終末期に多くの患者で認められる呼吸困難に対する対応、心のケアや実際の緩和ケアの様子など、講義が進められました。
私たち麻酔科は手術室の中でしか患者さんと関わることはありませんが、外科をはじめとする主治医の先生方は日常的にこのような場面と向き合っていることに、改めて気付かされました。
麻酔科として緩和ケアに関わることがある疼痛のコントロールについて、もう少し勉強してみたいと思った2日間でした。

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