東京医科大学

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学会・研究会の報告

日麻リポート「小児のDAM」

投稿者:石崎

カテゴリ : 学会

 学会二日目、成育医療センターの鈴木先生による「小児挿管困難」の講演がありました。成育で開発中のAWS小児用イントロック、エアートラック、グライドスコープについての解説があり、ゴールデンハーやトリチャーコリンズなどの使用経験の紹介もありました。DAM関連デバイスは、小児領域でもラインナップが揃いつつあるようです。
 知りたかったのは、CI(can’t intubation)ではなくCV(can’t ventilation)対策でしたが、CVCIが予測されて自発呼吸下挿管したケースの紹介もありました。戦略としては①気管支ファイバー挿管、②LMAを介した気管挿管なども考えられましたが、との前置きがあったうえで、そのケースでは、③セボ導入→ライン確保→2%キシロカイン局所麻酔→酸素とセボフルランで麻酔を深め→AWS小児用イントロックとマルチスコープスタイレットの組み合わせで気管挿管、という手法を取っていました。咽頭反射の刺激が少ないデバイスを充実させておくことも大切なんですね。車先生が大人で行っているような完全な意識下挿管は、やはり小児では難しいようです。

 その日の午後の「麻酔中の呼吸管理Up to Date」で、神奈川こどもの何先生にデバイスについて伺ったところ、やはり使い慣れているものが一番で、これから揃えるというならば、現時点では機器としてはグライドスコープ、声門上デバイスとしてはAirQがおすすめ、とのことでした。
 AirQは小児や新生児のサイズが揃っており、挿管もできる声門上デバイスですが、同じようなものにiGelもあります。両者の違いは、AirQがカフ付きでCurved typeだということです。現在、新宿には♯3以上の大きさのiGelがあります。#2以下のiGelを揃えるか、それともAirQを新たに購入するのか、今後の検討課題になりそうです。

AirQ (YouTube)
iGel (YouTube)

 もう一つ、どの施設でも直ぐに実行できる、気管支ファイバー挿管の素晴らしいテクニックを、何先生が紹介して下さいました。実演している写真が撮れたら、近いうちにアップしたいと思います。

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