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学会・研究会の報告

エンドトキシン血症救命治療研究会

投稿者:益本

カテゴリ : 研究会

敗血症におけるエンドトキシンに関する研究会です。横浜の中華街にあるローズホテルでの開催でした。

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 私の発表は、「エンドトキシン値が異常高値、High EAAを示した敗血症性ショックの一例」で、白血病の化学療法後に肺炎から重症敗血症に至った症例に関するものです。質疑応答の1つ目が「内科疾患であるのに、PMXを2時間しか施行しないのか?」というものでした。PMXのガイドラインでは2時間となっていますが、PMXに熟達した施設では2時間以上施行することで予後が改善するのでしょうか?疑問が残りました。2つ目のコメントでは、「比濁試験法では白血球減少がある場合、エンドトキシン値が異常高値を示すことがある」という助言を頂き、勉強になりました。エンドトキシンやEAAは敗血症では上昇するものの、敗血症の重症度を反映するものではないようです。

 全体的には、敗血症の原因が感染であるということに立ち返れば、治療は適切な抗菌薬の投与が第一で、PMXは敗血症における集約的治療の中の一手段であるように感じました。しかし、vitalを一時的に改善させるなど、治療に関して時間の猶予ができる点では有効だと思われました。その他、施設によっては敗血症の救命率が90%というところもあり、そのknow-how は知りたいところでありました。また、「今さら聞けない統計学」というセッションでは今まで不明であったことが確認でき、今後の統計処理に有用になると思われました。

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