(抄)デクスメデトミジンの区域麻酔における補助効果
2013.08.15
報告者:柿沼
Facilitatory effects of perineural dexmedetomidine on neuraxial and peripheral nerve block : a systematic review and meta-analysis F. W. Abdallah, R. Brull British Journal of Anaesthesia 110 (6): 915-25 (2013)
脊椎くも膜下麻酔におけるデクスメデトミジンの添加では、感覚神経遮断は有意に延長した。腕神経叢ブロックではデクスメデトミジン添加群で延長したが、統計学的有意差はなかった。運動神経遮断は、両群共に有意に延長した。副作用としては腕神経叢ブロックでは徐脈、低血圧が7%に出現したが呼吸抑制は報告されなかった。機序としては明確ではないとしてるが、他文献でデクスメデトミジンがα2アドレナリン受容体作動薬であるため、C線維や脊髄後角の存在するα2受容体に作用するのではないかと言われている。
結論としては、デクスメデトミジンは、有用な潜在的局所麻酔補助薬であるとしている。リミテーションは、FDAで承認されていない使用法故に、これらの研究が限られた国のみ(エジプト、インド、ヨルダン、レバノン、トルコ)であるということである。デクスメデトミジンは、投与量によって動物実験では神経障害(白質の傷害の可能性)が指摘されているようであるが、結果では最初の鎮痛剤投与までの時間が5〜6時間延長するようであるので、もし安全であるのなら使用したいものである。
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