東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

Staff Room

医局カンファランス

麻酔研修カード ver.4 麻酔覚醒

報告者:石崎

カテゴリ : 関連病院 勉強会

麻酔はよく、飛行機のフライトに例えられますが、こと、麻酔覚醒、特にその難しさを考える際は、スキューバダイビングに似ているように思います。

導入では、とにかく一気に潜ってしまっても構いませんが、覚醒では、減圧停止するかのごとく麻酔をテーパリングし、呼吸と意識、咽頭反射や筋弛緩を回復させていきます。安定した呼吸が得られて無事に抜管となるのは、水面に浮上した時の第一呼吸を思い出させます。そして、いつでも陽圧換気できる麻酔マスクから低流量マスクへ移行する作業は、レギュレーターからシュノーケルへの切り替えのようです。最後の酸素オフは、そのシュノーケルも外し大気を思いっきり吸い込んだ時といったところでしょうか。これで、無事にエグジットです。

そんなデリケートな麻酔覚醒の手順を初期研修医に説明するためのカードを作成しました。このカードを枕元に置いて、No Touch Extubation を実践してもらっています。術後鎮痛を意識するなら、Remi残しの代わりにFentaを効かせておいた方が良いのですが、研修医には、術中のFenta使用量はOPF時代の2/3程度に抑えておき、先ずはこのプロトコールで綺麗に抜管し、病棟帰室までに適宜Fentaを追加投与するようにしてもらっています。

戸田 麻酔研修カードver3.008.jpg 戸田 麻酔研修カードver3.009.jpg


研修中のW先生も、「今から5分後に目覚めます」と予告して、ほぼその通りに静かに覚ませるようになってきました。OZW越えも間近です!

一覧へ戻る