麻酔研修カード ver1 麻酔導入
2013.06.01
報告者:石崎
戸田の麻酔研修では、大勢の指導医の協力のもと、1週間につき約15-20例の気管挿管を経験できるので、3週もすると、ほぼ確実に挿管できるようになります。
そこで次のステップ、4週目以降に行う麻酔導入の実習に向けて、このようなカードを作成しました。パニックカードと一緒に麻酔器にぶらさげて、現場で指導しています。
カードは、麻酔の3要素にならい、麻酔導入を①鎮痛、②筋弛緩、③鎮静に分けて説明しています。①鎮痛カードと③鎮静カードでは、Fenta+Remifenta、Propo+Sevoの効果部位濃度のシミュレーションを、②筋弛緩カードでは、マスク換気と筋弛緩の順序について2通りのパターンとその特徴を解説しています。さらに、④Rapid Sequency Inductionのプロトコールをつけました。
研修医からすると、一見、指導医によって全然違う様に見える麻酔導入ですが、このカードを見ながら説明すると、どれも理にかなった方法だということが理解できるようになります。
⑤枚目のカードは、循環動態が安定しやすく、薬の操作が単純だという点で、私が、初期研修医が行うのに一番安全だと考えているプロトコールを示しています。2ヶ月目の研修を選択してくれた先生は、1週間で10導入を目安に、約2週間でこの基本プロトコールをマスターする事を目標とします。自分で薬を入れて自分で挿管できるようになれば、大きな自信になるでしょうし、麻酔に対する興味も芽生えるでしょう。また、このプロトコールで上手くいかない事があるとしたら、どの様なケースなのかということも挙げておきました。後期研修1,2年目の先生にも、充分、参考になると思います。
将来的には、TIVAやデスフルラン麻酔のカードも作るつもりです。
例によって、カードは写真L版サイズです。ご自由にお使い下さい。
- 石崎さんの記事を読む
- |
- 閲覧 ()