東京医科大学

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医局カンファランス

敗血症性ショック患者における組織酸素飽和度(StO2)の有用性

報告者:宮田

カテゴリ : 抄読会

今回のお題はIntensive care medicine 2012 on line firstからです。
StO2はずいぶん前のSCCMの時にも話題にあがっていたので何をいまさらとお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
結果からいうと敗血症性ショックにおいて膝周囲のStO2の低下がICU入室後14日の死亡率の予測になるというものです。
敗血症性ショックの死亡率は40%といまだ高率です。様々な予後予測因子がありますが、今回はStO2に注目しました。なぜ膝周囲かというと筆者達は過去に膝周囲のmottle signが予後予測因子になることを発表しており、膝周囲が一番よいという仮説をたてたからです。
敗血症性ショックでは、体血圧が保たれていても、末梢循環不全があると予後が悪いといわれています。そういう意味でもこの膝周囲のStO2の変化は乳酸値の変化やmottle scoreとも相関しており、14日死亡率の感度、特異度を表すAUCは0.87と高値を示しています。
今後注目すべきモニターかもしれません。
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