東京医科大学

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医局カンファランス

小児セボ導入時の静脈確保

報告者:安藤

カテゴリ : 本院 抄読会

小児のセボフルランによる麻酔導入時、安全な静脈ライン確保のタイミングは?その指標は?
タイミングが早くて痛がられるだけならまだしも、静脈ラインのない状況で喉頭痙攣を誘発してしまったら、そして、低酸素から徐脈、心停止に陥ったら・・・、想像するだけでも恐ろしい事ですが、これは充分に起こりうることです。

小児麻酔を頑張っている安藤先生が、そんな疑問に対してヒントとなりそうな文献を紹介してくれました。

    (資料はスタッフページからDLして下さい。)

論文の結果は、睫毛反射消失から3.32分(95%信頼区間2.68-6.77分)が最も安全ということでしたが、信頼区間には随分と幅があるようです。考察でも、自発呼吸の深さや、息ごらえの時間といった要因によって、最適なタイミングは延びる可能性があることから、眼球運動を指標にすると良いとした文献が紹介されていました。私はそもそも、睫毛反射の消失は入眠の指標にならないと思っていますので、どちらかというと眼球運動をみるという意見に賛成です。これまでは、興奮期をやり過ごして呼吸が少し弱くなり始めた頃、くらいにしか考えていませんでしたが、次回は少し眼球を見てみようと思います。

大切なのは、押さえつけて早く取ればいいというものではない、ということですね。早くとりたいのが人情、落ちやすい落とし穴です。(石崎)

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