心臓手術と脳神経合併症
2011.10.25
報告者:濱野
本日の勉強会は「心臓手術と脳神経合併症」についてお話しました。
"大動脈内のアテローム性病変やhypoperfusionによる脳梗塞"(type1)といった術後合併症はイメージしやすいと思います。
しかし"認知機能障害"や"見当識障害""記憶障害"などといった、画像診断では現れにくい、医療従事者が認識しにくい脳神経合併症(type2)も高頻度に発生し患者さんの予後に関連してきます。
type1とtype2とでは長期予後に差はないというお話もしました。
加齢にともなって大動脈アテロームの有病率は増加していきます。
ここに手術操作が加わる事は大きなrisk factoeになります。
冠動脈疾患をもつ患者さんはベースラインの認知機能がもともと低いと言われています。
micro embolismやhypoperfusionによって術後にこうした状態が悪化することは想像に難くありません。
脳神経合併症を発症した場合はそうでないときと比較して予後が悪いと言われており、
術前からhigh risk群を認識し適切な術中術後管理を行う事が私たち麻酔科医に求められるのではないでしょうか。
- 濱野さんの記事を読む
- |
- 閲覧 ()