東京医科大学

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医局カンファランス

小児の覚醒時興奮とFentanyl

報告者:松村

カテゴリ : 本院 抄読会

小児麻酔における覚醒時の鎮痛は、常に、覚醒遅延や呼吸抑制との兼ね合いになります。今日の抄読会では、小児の小手術において、AOS+局麻とAOSF+局麻とを比較検討した論文を、松村先生が紹介してくれました。

いずれの群においても鎮痛は局所麻酔で充分であったという前提に立つと、この研究プロトコールにおけるFentanyl投与の意義が、咽頭反射抑制、もしくは、考察にもあったヒポクレチンニューロンの抑制による鎮静効果にあるというのが、この論文のポイントです。

結果として、Fentanyl 2mcg(bolas) → 1.0mcg/kg.hrでは過鎮静になり、お勧めは、Fentanyl 1mcg(bolas) → 0.5mcg/kg.hr だそうです。当院のPACUのない環境でこの数字の通りで良いのかは解りませんし、前投薬の有無も影響してくるのでしょうが、Fentanylを上手く使えば落ち着いた抜管になるということです。(石崎

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