東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

Staff Room

医局カンファランス

プロポフォールは寝不足を解消するか

報告者:岩瀬

カテゴリ : 本院 抄読会

日本麻酔科学会の講演で興味を持ったという、睡眠と麻酔に関わる論文(Anesthesiology2004)を、岩瀬先生が紹介してくれました。

24時間不眠のマウスにプロポフォール麻酔をかけて、その後の睡眠脳波を調べたところ、不眠後にぐっすり眠った後の状況と類似していたそうです。それが即、プロポフォール麻酔をかければ睡眠不足を解消できると解釈して良いのか解りませんが、その可能性があると考察しています。マイケルの主治医がこの論文を読んでいたかどうかは解りませんが、呼吸抑制や循環抑制に対する認識が足りなかったことは間違いありません。
睡眠と麻酔の関係は未知な部分が多く、全く異なるものとする意見や類似の反応とする意見まで様々です。睡眠の概念もここ10年で大きく変化していますし、プロポフォールからの覚醒は吸入麻酔に比べて自然の覚醒に近いとか、青斑核に作用するデックスはより自然睡眠に近いとか、当然ですが麻酔薬によっても変わってきますので、しばらくは議論のつきない分野となるでしょう。

スライドのまとまりも良く、プレゼンも上手でした。朝礼でのリーダーもこの調子でお願いしますよ。

一覧へ戻る