東京医科大学

麻酔科学分野 麻酔を受けられる患者さまへ

Staff Room

医局カンファランス

TAARにおける脊髄保護

報告者:室町

カテゴリ : 本院 抄読会

今日の抄読会は、血管外科から長期ラウンド中の室町先生です。TAARにおける対麻痺予防は長年の課題ですが、MEPモニタリング下に行う遠位大動脈還流(DAP)の有用性を検討した論文です。体外循環は左心バイパス(arteriofemoral bypass)で、人工肺を使わないところが当院との違いです。バイパス血の酸素化は自己肺に依存していることになるため、片肺換気で充分にSaO2が保たれていたのかが気になります。
結果ですが、MEPを指標にDAP潅流圧を調節したところ、52症例中、対麻痺はゼロだったそうです。素晴らしい成績です。MEPの評価を厳重に行い、それを体外循環に確実に反映させたことがポイントでしょう。(石崎)

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