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医局カンファランス

小児用カフ付きチューブ

報告者:石崎

カテゴリ : 本院 抄読会

今日の抄読会では、小児用カフ付きチューブに関してReview形式で読んでみました。実は、来週の東京麻酔専門医会で座長を務めることになってる『小児呼吸管理(志馬伸朗先生)』の下調べでもあります。
日本人と欧米人とでは体格差が大きいので、韓国人のデータを参考にしつつ、私なりに表を作り直したりもしました。

Take Home Message
◆小児カフ付きチューブの使用は、日本では時期尚早。
 一部のショートカフタイプは、注意を払えば、使用可能。
 Microcuff Tube(K-C製)の発売が待たれる。
◆頚部後屈させる手術での、カフ付きチューブは要注意。
 挿管時は、円座枕により頚部前屈になっていることも考慮。
◆気管の長さは個人差が大きい。
◆ファイバースコープで片肺挿管を否定すべし。
 喉頭鏡でDepth Markを確認すべし。
 頭位変換のたびに、チューブを固定し直す必要があるかも。

小児のカフ付きチューブはVAP予防にも有用でしょうし、小児ICUにおける鎮静や人工呼吸器からの離脱などの管理を大きく変える可能性を秘めています。志馬先生からは、そのあたりのお話も聞けるのではないかと予想していますが、どうなるでしょうか。今から楽しみです。

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