危機対応能力 研修医vs専門医
2011.06.17
報告者:臼井
後期研修1年目の臼井先生が、ミュレーション教育におけるトラブルシューティング能力を、研修医と麻酔専門医とで比較した論文を紹介してくれました。
指導医にとっては耳の痛い話ですが、「滅多に起こらない急変に関しては、後期研修2年目と麻酔専門医とでは対応能力に有意差がない」とのことです。確かに、どれだけの人が専門医を取得するまでに、悪性高熱症や高カリウムによる心停止を経験しているのでしょうか。アナフィラキシーショックにしても、なんだかんだと騒いでいるうちに先輩が来て、うまく対処してくれた経験が、どこまで役に立つのかは疑問です。
そこにシミュレーション教育の意義が見いだせます。誰の助けも得ることができない状況で、滅多に起きない致死的合併症に初めて遭遇し、自らの力及ばず患者を死なせてしまった。次に同じことが起きたときは必ず助けてみせる。その最初の患者は、マネキンであるべきです。
現在、土曜日に初期研修医向けのDAMセミナーを行っていますが、後期研修医、そして、このようなシミュレーション教育を受けてこなかった私たち世代の指導医のための、トラブルシューティングセミナーも必要なようです。臼井先生、よい文献を紹介してくれました。(石崎)
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