気腹と換気血流
2011.05.09
報告者:関根
今日は関根先生から、気腹が換気血流分布とガス交換に与える影響を、核医学手技(SPECTとMIGET)を用いて検証した文献を紹介して頂きました。
気腹に伴う横隔膜挙上によって無気肺が生じやすくなることは知られていますが、意外なことに、必ずしも『肺シャントが増す』とか『動脈血酸素分圧が減少する』とは限らないそうです。これを気腹したブタで検証したわけですが、腹側への換気分布の移動よりも血流分布の移動のほうが大きく、換気と血流のマッチングは気腹前よりもむしろ改善しました。
この報告からは、その機序までは解明できませんが、考察では背側の無気肺となった領域においてHPVが生じたためと推測しています。ブタの肺はHPVを生じやすいそうなので、即、ヒトに当てはまるかどうかはわかりませんが、「気腹ではシャント率の増加は起こらない」とする多くの報告に矛盾しない結果となったようです。 (石崎)
関根先生からのTake Home Message
『腹腔鏡手術では血ガスと無気肺に解離あり。』ご注意を。
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