学生/大学院教育

臨床医学Ⅰ(循環器系): 3年生

教育方針

医師として必要な循環器病学に対する基本的知識を身につけるために、基礎医学で学んだ知識を整理しつつ、循環器疾患の成因・病態生理・臨床症状・検査所見・診断・内科的外科的治療法の選択および手術法について学習します。特に、基礎的知識を確実に習得し、4年生における臨床実習を円滑に行うための水準に到達することは必須です。

講義の概説

循環器系の疾患について内科的および外科的疾患を包括して学習します。担当教官についても循環器内科・心臓血管外科・人体構造学・細胞生理学・健康増進スポーツ医学・小児科の各教室の協力のもとで行います。このため講義は循環器系の構造・機能および循環器疾患の徴候・検査法から始まり、各論がこれに続くように一連の流れとして構成されています。また、重要な知識と理解力を確認するために、自学自習を基本とした演習も行います。
講義ではクリッカーなどの ICT を活用し、講義前後の予習・復習は「e自主自学」(プリテスト、ポストテストは必須)を活用し、講義の振り返り・質問は e ポートフォリオを用いています。一部の講義では Team Based Learning(TBL)により行っています。また心周期や心電図のコンテンツを作成し、「e自主自学」から自己学習ができるようにしています。

2018年度の授業の講義内容を下記のとおりです。

臨床実習(Bed Side Learning:BSL)

医学科4年生の1月から5年生の12月までの期間、ローテーションで2週間の循環器内科のBSLを行います。また5年生の1月から6年生7月まで診療参加型BSLを各1ケ月ずつ行っています。学生は指導医、初期研修医や後期研修医とともに受け持ち患者さんの診療に参加しています。

学習到達目標

(1) 主要な循環器疾患の病態生理を理解したうえで、実際の症例において、合理的な診断を行い 、治療目標に至る過程をベッドサイドで学びとる。
(2) そのために必要な基本的診断法、治療法に関する知識と技能を習得する。
(3) 患者さんや病院スタッフと接するなかで、医師として最も必要な「常識を持った社会人としての思考、言動、マナーを学ぶ。

具体的な項目

(1) 心不全、虚血性心疾患、不整脈等の循環器疾患における特有の症状や徴候を説明でき、適切な病歴聴取(問診)とその記載ができる。
(2) 心音、心雑音、末梢脈波、血圧等の身体所見の正確な診察と適切な記載ができる。
(3) 問診、身体所見、基本的検査より、側々の症例の 問題点を把握でき、解決のためのプランを立てられる。また緊急の対応が必要な状態であるか否かを判断できる。
(4) 循環器疾患の主要検査法 (胸部X線、心電図、負荷心電図、電気生理検査、心臓超音波、心臓核医学検査 、心臓カテーテル検査、心臓CT検査、心臓MRI検査、血液生化学検査等)の意義を理解し、個々の症例の所見を説明できる。
(5) 治療法に関しては 、
① 強心薬、利尿薬、血管拡張薬、抗不整脈薬 、降圧薬等の薬理作用と適応・副作用
② カテーテル治療、ペースメーカ一、直流通電等の原理と適応
③ 外科手術選択の適応
④ 輸液療法
以上について説明できる。
(6) 循環器疾患患者の生活指導 (食事療法 、運動療法等) の原則を説明できる。
(7) 上記を総合して、個々の症例の治療方針を選択できる。

学生さんは朝のカンファレンスから参加し、前日に入院した患者さんの経過報告や当日のカテーテル検査、PCI治療、不整脈疾患に対するカテーテルアブレーション、ペースメーカ植え込み術予定の患者さんの病歴、検査結果、画像を多くみて学ぶことができます。学生の皆さんが、自分ではどうするかの視点で考えながらDrのプレゼンテーションを聞くと、教科書では学べない生きた知識が身につき、また理解していなかったことに気づく貴重な機会でもあります。
また学生さんが毎日、担当患者さんとベットサイドで話をし、診察を行い、バイタルサイン、血圧測定、胸部の聴診、心電図をとることが身につくようにしています。そして学生さんはその日に学んだことや疑問点などをeポートフォリオに記載しています。疑問点については、指導医からeポートフォリオまたは直接フィードバックが行われます。 BSLの最終日午後に受け持ち症例の症例発表会を行っています。

2018年度のBSL予定表

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