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東京医科大学 神経内科学分野 後期研修カリキュラム

1.研修プログラムの名称

神経内科専門医育成コース

2.研修概要(理念・特徴)

 高齢化社会を迎えた日本において神経疾患を患う患者さまは急増している一方、神経内科専門医の数は不十分で、社会的必要性は高まるばかりです。そのようななか、本学・神経内科学分野は、2013年7月に相澤仁志教授が主宰し、講座として独立しました。現在の診療体制は、入院はベッド数 22床、外来は午前2診、午後1診として診療を行っています。2016年の診療実績は、延べ入院患数 310名、外来延べ患者数13,702名、外来初診患者数819名(2016年1月1日~12月31日、医局および医事課調べ)でした。
 神経内科専門医育成プログラムは、日本神経学会が取り決めた受験資格が得られる最短の卒後7年目に、日本神経学会・神経内科専門医を取得することを目的としたプログラムです。神経内科専門医を取得するためには、認定内科医(日本内科学会認定医制度による資格認定試験に合格すること)であることが必須となります。認定内科医を取得するために内科系の研修をさらに行いたい、あるいは脳神経外科、小児科、リハビリテーション科などの神経内科関連診療科でも研修を行いたいという希望がある場合には、最長で合計1年の研修期間を取ることが可能です(3ヶ月単位で 1~4 科)。我々は各個人の希望にそった研修プログラムをつくる予定でいます。

○各年度の研修内容(例)
(神経内科研修のみの場合)
1年目(卒後3年目) 病棟・外来での臨床研修
2年目(卒後4年目) 病棟・外来での臨床研修、神経生理研修、神経病理研修
3年目(卒後5年目) 教育関連病院での研修(*)
(神経内科研修に加えて、内科を含めた他診療科の研修を希望する場合)
1年目(卒後3年目) 病棟・外来での臨床研修(神経内科) 他診療科研修(A・B **)
2年目(卒後4年目) 病棟・外来での臨床研修、神経生理研修、神経病理研修、他診療科研修(C・D **)
3年目(卒後5年目) 教育関連病院での研修(*)

* 教育関連病院:東京医科大学八王子医療センター神経内科、東京都健康長寿医療センター、
 国立循環器病センター など
** 他診療科研修は、卒後3~4年目において3ヶ月単位で4診療科を上限に行うことができます。
・神経生理研修および神経病理研修は教育関連施設において行うことも可能です。
・示した研修スケジュールは一例です。できるだけ各個人の希望に沿うことを心がけています。

3.指導体制・方略

 ① 東京医科大学病院は日本神経学会、日本脳卒中学会の教育施設に認定されています。
 ② 指導管理責任:相澤仁志
 ③ 指導医名:赫 寛雄、加藤陽久、井戸信博、田口丈士、石村洋平
 ④ 神経内科専門医:相澤仁志、増田眞之、赫 寛雄、加藤陽久、井戸信博、田口丈士、石村洋平
 ⑤ 専門医以外の医師の紹介:高澤朋子、福田友里愛、小林万希子、斎藤智子

【週間スケジュール】
 



8:00~
医局カンファレンス
8:15~
抄読会
8:30~
病棟業務
8:15~
症例検討会
9:30~
教授回診
8:00~
医局カンファレンス
8:30~
病棟業務
8:00~
医局カンファレンス
8:30~
病棟業務
8:00~
脳卒中カンファレンス(関連科合同)
9:00~
病棟業務
8:00~
医局カンファレンス
8:30~
病棟業務


13:00~
病棟業務
13:00~
神経生理検査
17:00~
医局勉強会
13:00~
病棟業務
13:00~
研修医勉強会
14:00~
病棟業務
13:00~
病棟業務
 

4.一般目標

 神経疾患に伴う症状から病歴を明らかにし、一般理学的診察と神経診察から、正しい診断、検査計画を立案し、適切な治療を選択する臨床能力を身につけることを目標とします。脳血管障害、神経変性疾患、免疫関連性中枢神経疾患、末梢神経疾患、神経筋接合部疾患、神経感染症などを中心に担当医となり、上級医の指導のもとにグループ診療を行います。

5.具体的目標

1)習得すべき診察法・検査・手技
  1.一般内科的診察ができ、診療録に記載できる
  2.神経学的診察ができ、診療録に記載できる
  3.採血検査および髄液検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  4.単純X線検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  5.CT検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  6.MRI検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  7.核医学検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  8.神経生理学的検査(脳波・筋電図など)の適応が判断でき、結果の解釈ができる
  9.穿刺法(腰椎・中心静脈)を実施できる

2)経験すべき症状・病態・疾患
  1.以下の症状を有する患者を診察し、鑑別診断を挙げ、必要な検査を行い、治療を実施する等の
   診療の一翼を担うことができる
   ・意識障害
   ・視力障害、視野狭窄
   ・眼球運動障害、複視、眼瞼下垂
   ・構音障害
   ・嚥下障害
   ・運動麻痺
   ・感覚障害
   ・不随意運動
   ・頭痛、めまい、痙攣、失神など
   ・ほか

  2.以下の疾患について診察し、必要な検査を行い、治療を実施する等の診療の一翼を担うことができる
   ・脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)
   ・神経変性疾患(Parkinson病、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)
   ・認知症性疾患(Alzheimer病、Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症など)
   ・免疫関連性中枢神経疾患(多発性硬化症、視神経脊髄炎など)
   ・末梢神経疾患(Guillain-Barré症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、遺伝性ニューロ
    パチー、種々の多発ニューロパチー、多発単ニューロパチー、単ニューロパチーなど)
   ・神経接合部疾患(重症筋無力症など)
   ・筋疾患(筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、ミトコンドリア病、多発筋炎など)
   ・神経感染症(髄膜炎、脳炎、脊髄炎など)
   ・内科疾患に伴う神経障害(ビタミン欠乏性ニューロパチーなど)
   ・ほか

3)その他
  1.インフォームドコンセントの重要性を理解し、患者さまやご家族との信頼関係の構築を推進する
   ことができる
  2.病院の医療安全規則を順守し、医療安全に配慮した診療ができる
  3.神経難病ほかの患者さまに対する医療等に関する法制度を利用した、患者さまの生活の質の維持に
   尽力できる

6.評価・目標

 日本神経学会専門医として必要な知識と技量を習得したと認定されることを目標とします。

7.その他特記事項

 取得できる資格としては、日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会総合内科専門医などがあります。講師以上のスタッフを中心として、これらの資格取得に全面的に協力します。また当講座では、他の研究・教育施設と症例検討や共同研究を活発に行っており、症例や研究発表の機会を積極的に提供しています。

メッセージ:指導管理責任者 相澤仁志

 当科で診療している疾患は、頭痛やてんかん、認知症などの有病率の高い疾患から、脳卒中や脳炎などの救急疾患、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、重症筋無力症や多発性硬化症、ギラン・バレー症候群などの神経免疫疾患など、多岐に亘ることが特徴で、神経内科領域の疾患として偏りなく経験することができます。したがって、神経内科医が対応すべき疾患はほぼ網羅していると言っていいでしょう。当科の特徴としてはカンファレンスを多く行っていることです。毎朝、入院症例を中心としたカンファレンスを行い、各症例の病態を医局員全員で掘り下げます。さらに、教授回診前には新規入院症例に留まらず、全入院症例について検討しています。また、脳卒中カンファレンスは、脳神経外科や救命救急センター、高齢診療科などとの合同カンファレンスで、脳卒中をはじめとした救急症例について検討しています。
 研修医の先生方の知識の整理のために、神経内科の基礎や神経診察についての勉強会を行っています。また、学会発表は、早い時期から積極的に行ってもらっています。発表を通して各疾患の理解を深めることができると考えるからです。さらに臨床研究の一翼を担ってもらい、臨床研究の基礎を習得します。
 後期研修の目標は、① 医療チームの一員として診療に携わること、② 全身を診ることができ、かつ神経疾患を診ることができる医師になること、③ 急性期から慢性期まで対応できる神経内科専門医になることです。個々の先生の個性に応じたフレキシブルな対応ができます。是非、我々の後期研修プログラムに参加してください。