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論文がGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。
2019.10.02 10:22
投稿者 : 医局
当科医局員の安部 浩則 先生第一著者の論文がGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。日本語要約をいただきましたので、掲載します。ぜひ原文もご覧ください。
Abe H, Shikuma J, Suwanai H, Sano K, Okumura T, Kan K, Takahashi T, Miwa T, Suzuki R, Odawara M.
Geriatr Gerontol Int. 2019 Sep 4.
【目的】 高齢者2型糖尿病患者の血糖コントロールにおいては高血糖を是正するだけでなく、低血糖を回避することも重要である。持続血糖モニタリングシステム(CGM)は血糖変動をみるための有用な方法の一つである。本研究では、高齢者2型糖尿病患者にCGMを装着して低血糖頻度および血糖変動を検討した。
【方法】 経口内服治療のみを行っている65歳以上かつHbA1cが8%未満の2型糖尿病患者70人を対象とした。CGMデバイスとしてフラッシュグルコースモニタリングシステムを用いた。対象患者をそれぞれSU薬内服群、グリニド内服群、SUまたはグリニドのいずれも内服していない群の3群に分け、低血糖頻度および血糖変動を比較検討した。
【結果】 全ての群で血糖の変動係数(CV)と低血糖頻度の間に有意な正相関関係を認め、SU群においてはHbA1cと低血糖頻度に有意な逆相関関係を認めた。54mg/dl以下を低血糖と定義したとき、低血糖を引き起こすHbA1cのカットオフ値は6.3%であり、感度は75.0%、特異度は90.9%であった。また、70mg/dl以下を低血糖と定義したときは、HbA1cのカットオフ値は6.7%、感度は76.2%、特異度は77.6%であった。
【結論】 SUを内服している高齢者2型糖尿病患者はHbA1cが下がるにつれて低血糖頻度が増えることが示された。特に、SUを内服していてHbA1cが6.3%を下回る場合には内服調整を考慮する必要がある。
掲載、おめでとうございます!
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