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論文がGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。

投稿者 : 医局

当科医局員の安部 浩則 先生第一著者の論文がGeriatrics & Gerontology Internationalに掲載されました。日本語要約をいただきましたので、掲載します。ぜひ原文もご覧ください。

[Title] Assessing hypoglycemia frequency using flash glucose monitoring in older Japanese patients with type 2 diabetes receiving oral hypoglycemic agents. 
Abe H, Shikuma J, Suwanai H, Sano K, Okumura T, Kan K, Takahashi T, Miwa T, Suzuki R, Odawara M. 
Geriatr Gerontol Int. 2019 Sep 4.

【目的】 高齢者2型糖尿病患者の血糖コントロールにおいては高血糖を是正するだけでなく、低血糖を回避することも重要である。持続血糖モニタリングシステム(CGM)は血糖変動をみるための有用な方法の一つである。本研究では、高齢者2型糖尿病患者にCGMを装着して低血糖頻度および血糖変動を検討した。

【方法】 経口内服治療のみを行っている65歳以上かつHbA1cが8%未満の2型糖尿病患者70人を対象とした。CGMデバイスとしてフラッシュグルコースモニタリングシステムを用いた。対象患者をそれぞれSU薬内服群、グリニド内服群、SUまたはグリニドのいずれも内服していない群の3群に分け、低血糖頻度および血糖変動を比較検討した。

【結果】 全ての群で血糖の変動係数(CV)と低血糖頻度の間に有意な正相関関係を認め、SU群においてはHbA1cと低血糖頻度に有意な逆相関関係を認めた。54mg/dl以下を低血糖と定義したとき、低血糖を引き起こすHbA1cのカットオフ値は6.3%であり、感度は75.0%、特異度は90.9%であった。また、70mg/dl以下を低血糖と定義したときは、HbA1cのカットオフ値は6.7%、感度は76.2%、特異度は77.6%であった。

【結論】 SUを内服している高齢者2型糖尿病患者はHbA1cが下がるにつれて低血糖頻度が増えることが示された。特に、SUを内服していてHbA1cが6.3%を下回る場合には内服調整を考慮する必要がある。

掲載、おめでとうございます!