東京医科大学

呼吸器・甲状腺外科学分野

分野紹介

ご挨拶

工藤 勇人

東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野主任教授 工藤 勇人

ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野の主任教授を務めております、工藤勇人と申します。私たちは、肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫、気胸、膿胸などの胸部疾患と、甲状腺・副甲状腺の疾患を対象に、手術から薬物療法、放射線治療までを担当しています。

当科は東京医科大学の外科学第一講座として始まり、100年を超える歴史があります。1923年には日本で最初の肺がん切除を報告し、その後、世界で初めて光線力学的治療(PDT)による肺がんの治療を行いました。前任の池田徳彦教授は、当院における胸腔鏡手術の標準化に取り組み、2010年にはロボット支援手術による縦隔腫瘍切除を臨床研究として開始しました。新しい医療を慎重に、しかし確実に取り入れてきた姿勢を、これからも受け継いでいきます。

診療

最も負担の少ない方法で、最も確実に治す。これが当科の方針です。肺がん手術の9割以上を胸腔鏡手術やロボット支援手術で行い、進行したがんにも低侵襲手術で臨む一方、安全性と確実な切除を優先して開胸手術を選ぶこともあります。その判断は、複数の専門医が集まって検討します。抗がん剤や免疫療法、放射線治療、気管支鏡治療を組み合わせる集学的治療も、関連する診療科とともに進めています。早期の中心型肺がんに対するPDTと、気道の狭窄に対するステント治療は、国内でも数少ない治療として全国からご紹介をいただいています。
甲状腺の手術では、声を出すための神経の働きを手術中に確認しながら切除を進め、傷あとにも配慮します。がんが気管に及ぶ場合には、合併切除と再建を含む拡大手術を行います。
胸部や頸部の病変が周囲の臓器に及ぶ場合には、心臓や大血管では心臓血管外科、食道や横隔膜では消化器外科、脊椎では整形外科と、合同で手術を行います。呼吸や循環の状態が厳しい症例では、麻酔科・集中治療部門とともにECMOを用いた管理のもとで治療にあたります。他の施設で治療が難しいと判断された患者さんも、数多くお引き受けしています。

研究

国際的な競争は年々厳しさを増していますが、だからこそ私たちは、国内外の施設と協力しながら研究体制の強化を図ります。手術で得られた検体を用いたトランスレーショナルリサーチ、AIと3次元画像技術による診断・治療支援に取り組み、医局員は国内外の研究機関に留学しています。多くの臨床試験・治験にも参加しており、標準治療として確立される前の新しい治療を安全な体制のもとでお届けできることは、大学病院の大きな役割だと考えています。

診療体制と人材育成

当科の手術は、経験豊富な指導医が責任を持って執刀・指導にあたる体制で行っています。呼吸器外科専門医や指導医の資格は、一定の経験と知識を客観的に保証する指標であり、当科には専門医が多く在籍しています。次の世代を育てることは大学の責務であり、出産や育児、介護といったライフイベントを迎えても、キャリアを中断せずに専門性を高められる体制を整えていきます。

地域の医療機関の先生方へ

日頃から多くの患者さんをご紹介いただき、またご加療いただき、心より感謝申し上げます。関東を中心とした関連施設とともに地域の医療を担っており、診断のつかない胸部の異常影や、治療方針の判断に迷われる症例も、どの段階でもご相談ください。手術後も、薬物療法を続けている期間も、かかりつけの先生と当科がともに患者さんを診ていく「ふたり主治医」の体制をとっています。

患者さんに最良の治療を、次の世代に確かな技術を、そして世界に向けて新しい知見を。この3つに、教室の全員で取り組んでいきます。

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