News お知らせ

「頭頸部イルミノックス治療」を更新しました。

投稿者 : 医局

カテゴリ : お知らせ

頭頸部がんにおける光免疫療法について(アキャルックスとレーザー光照射による治療)

光免疫療法について

切除不能な再発頭頸部扁平上皮がん患者に対する治療の主体は薬物療法とされていますが、薬物療法における標準的な治療が終了した後、またはそれらの標準的な治療が受けられない患者に対する確立された治療法は存在していません。そのため、新たな治療法に対するニーズがあり、楽天メディカルによってこの光免疫療法が開発されました。他の民間療法である光免疫療法と区別するため、この光免疫療法の正式名称は頭頸部イルミノックス治療となりました。
2015年4月から海外第Ⅰ/Ⅱa相試験が開始、日本では、2017年12月から国内第Ⅰ相試験が開始となり、2018年12月から国際共同第Ⅲ相試験が開始されました。2020年9月に日本で製造販売承認を取得し、2021年1月から「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に対して治療が可能となりました。現時点(2021年2月)では頭頸部がんしか保険適応となっておりません。
東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、切除不能な局所再発頭頸部がんを対象に2021年1月から頭頸部イルミノックス治療を開始しました。
 

治療について

アキャルックス®[一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)]はキメラ型抗ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)モノクローナル抗体(IgG1)であるセツキシマブと光感受性物質である色素I R 7 0 0を結合させた抗体-光感受性物質複合体です。頭頸部癌における本治療はアキャルックス®と医療機器のBioBlade®レーザシステムを併用する局所治療です。
アキャルックス®は、頭頸部扁平上皮がんに高発現するEGFRに選択的に結合します。アキャルックス®は1日1回6 4 0 mg/m2(体表面積)を2時間以上かけて点滴静注します。点滴静注終了2 0~2 8 時間後に波長6 9 0 nm のレーザ光を照射することにより、励起されたI R 7 0 0 が光化学反応を起こし、速やかな細胞膜破壊により、ネクローシス(壊死)に至ると考えられます。

本治療は2段階で構成されます。すなわち(1)アキャルックス®の点滴静注、(2)アキャルックスが結合した腫瘍細胞へのBioBlade®レーザシステムによる波長6 9 0 nmのレーザ光の照射です。治療日数は2日間(Day 1:点滴静注、Day 2:レーザ光照射)で、その後は経過観察をします。病変が完全に消失しない場合には、28日以上の間隔を空けて、最大で4回まで繰り返して行うことが可能です。
レーザ光には2種類のタイプがあります。ひとつは体の表面から当てる方法です。もうひとつは腫瘍細胞に針を刺して体の中からあてるタイプです。病変の状況により使い分けていきます。


 

適応について

手術で摘出することのできない局所進行または局所再発の頭頸部がんが適応となります。
本治療では術後補助療法における有効性および安全性は確立していません。そのため、化学放射線療法などの標準的な治療を行っていない場合はまずそれらの治療を優先して行う必要があります。

本治療に関する問い合わせ

本治療に関するご相談や本治療をご希望される方は、塚原清彰医師、岡本伊作医師宛の紹介状をお持ちのうえご受診ください。

お問い合わせ先
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 外来受付 内線:2343

なお、本治療の流れや注意すべき副作用等の情報につきましては、楽天メディカル社のウェブサイトをご参照ください。

楽天メディカル社ホームページより一部引用