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抄読会 2019/3/11

投稿者 : HP 管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、反芻と主観的な睡眠の質との関係を前方視的に検討した論文が取り上げられました。
日本の大学生208名に自己記入式の質問紙に回答を求め、反芻、心配、抑うつ症状、特性不安、主観的な睡眠の質について回答を求めました。さらにその3週間後にネガティブライフイベントと主観的な睡眠の質について回答を求めました。統計解析の結果、横断面において、反芻と心配の強さは抑うつ症状、特性不安、主観的な睡眠の質の悪化に影響を与えることが示されました。さらに反芻と心配の交互作用は抑うつ症状にのみ影響を与えることが示されました。また、心配の弱い群と比較して心配の強い群では、反芻が睡眠の質に与える影響が強いことが示されました。以上の結果から、反芻の強さが(特に心配が強い人において)3週間後の抑うつ症状の強さに影響を与える可能性が示唆されました。本論文の抄読を受けて、心配と不安の違いが何なのかという点や大学生の睡眠の質と患者さんの睡眠の質の違いあるので結果の一般化の限界点があるのではないかという点などが議論されました。

Takano et. al. Repetitive thought and self-reported sleep disturbance. 2010 Behav Ther. 2012 43(4):779-789.
doi: 10.1016/j.beth.2012.04.002. 
PMID: 23046780