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抄読会 2018/12/17

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、主観的社会的地位(SSS)が抑うつ思考に与える影響について検討した論文が取り上げられました。本論文では、ドイツの大学生72名を対象に、アンケート調査およびSSSを操作する実験(経済水準等が非常に高い者と自身を比較する課題(低SSS群)、経済水準等が非常に貧しい者と自信を比較する課題(高SSS群))を実施し、低SSS 群と高SSS群における抑うつ思考の違いを検討しました。その結果、低SSS群は高SSS群と比較して有意に抑うつ思考(抑うつ的認知と反芻)が高いことが示されました。以上のことから、一時的な操作であっても低SSSがより抑うつ的認知を引き起こしたというメカニズムの一部が明らかになりました。本抄読を受けて、具体的にどのような操作をしてSSSを操作したかなど、論文の詳細や、実際に低SSSのみの操作で抑うつ認知に変化が生じたのかについて議論されました。また、このように負担を伴う実験について、どのように推進したら良いかについて方法論の確認を行いました。
Schubert et al. The effect of subjective social status on depressive thinking: An experimental examination. 2016 Psychiatry Res. 241:22-25.
DOI: 10.1016/j.psychres.2016.04.081
PMID: 27152906