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抄読会 2018/3/12
2018.03.12 17:04
投稿者 : HP管理者
カテゴリ : お知らせ
本日の抄読会では、アメリカの統合失調症患者に対してCBT-p(cognitive-behavioral therapy for psychosis)の中の幻聴に特化したプログラムのひとつである、「声への対処(Coping With Voices:CWV)」の効果を通常治療(usual care:UC)と比較検証した論文が取り上げられました。研究に協力が得られた地域のメンタルヘルスセンターを利用する37名(CWV群19名、UC群18名)の統合失調症患者で、中程度から重症の幻聴を持つ者が調査の対象となりました。CWV群とUC群を比較した結果、CWV群では、高いプログラムに対する満足度と継続率が示されました。また、CWV群およびUC群はともに、治療終了時およびフォローアップ時の幻聴とその他の症状の重症度を同程度に改善させることが示されました。さらに、CWV群はUC群よりも、フォローアップ時の社会機能とCBT-pの知識の理解が高いことが示されました。以上の結果から、CWVプログラムがCBT-pの利用のしやすさや精神症状苦痛のマネジメントおよび社会機能の改善において関連する可能性があることが示唆されました。本論文の抄読を受けて、当医局では統合失調症患者に対する現在の幻聴への対処に加えて、プログラムに含まれるような幻聴のモニタリングが有効である可能性があることを共有しました。一方で、長期的あるいは頻繁にフォローアップができない(安全を確保できない)状況の場合にむやみに幻聴について掘り下げるような面接をすると危険ではないかという意見もあり、それぞれの医局員が自身の臨床で実践している幻聴に対する取り組みを話す契機となりました。
Gottlieb et al. Randomized controlled trial
of an internet cognitive behavioral skills-based program for auditory
hallucinations in persons with psychosis. 2017 Psychiatr Rehabil J,
40(3):283-292.
doi: 10.1037/prj0000258.
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