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抄読会 2017/12/11

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会ではアメリカの成人を対象に画面をみつめる時間と抑うつ症状の関連を検討した論文が取り上げられました。本研究では、アメリカの、国家健康栄養調査(NHANES)の二次データ(2011/2012)のうち、包含基準を満たす20歳以上のアメリカの成人3201名が対象となりました。使用項目は、抑うつ症状を測定するPHQ-91日あたりのテレビの視聴/コンピュータの使用時間と人口統計学的データが解析に使用されました。本研究の結果、抑うつ症状は女性の方が有意に高く、抑うつ症状の程度が中程度または重度であることと、テレビ視聴/コンピュータの使用が1日あたり6時間以上であることが関連していることが示されました(調整オッズ比:2.3,95CI1.602-3.442)。さらに、すべての共変量(年齢、性別、人種、教育歴)を調整した場合であっても、継続して画面を見つめる時間が長いことが抑うつ症状と有意に関連することが示されました。以上のことから、テレビの視聴とコンピュータの使用は成人のうつ病の程度を予測する可能性があることが示唆され、今後の研究においてより詳細にうつ病と関連する要因を検討する必要があることが強調されました。本論文の抄読を受けて、当科では、画面を見つめる時間の中にスマートフォン時間が含まれているのか、システムエンジニアのような職業上画面をみつめるような職業の者と介護士やヘルパーといったような精神的肉体的な疲労が強いとされている職業の者とではどちらがうつ病のリスクが高いかなど、具体的な疑問点について議論がなされました。

Madhav et al. Association between screen time and depression among US adults. 2017 Prev Med Rep 516(8) 67-71.

doi: 10.1016/j.pmedr.2017.08.005