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抄読会 2017/11/27

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では小児期の虐待とトラウマスケール(Child Abuse and Trauma Scale: CATS)の信頼性と妥当性を検討した論文が取り上げられました。2回の研究(1回目は大学生228名、2回目は大学生301名とDSM-IIIによって多重人格障害(Multiple Personality Disorder: MPD)と診断された17名が対象となった)によって因子構造の検討、内的整合性と再検査信頼性と構成概念妥当性が検討されました。CATS3因子構造(ネグレクト、性的虐待、罰)で十分な内的整合性(α=.63~.90)と再検査信頼性(r=.71~.91)を有し、Dissociative Experience Scaleと有意な正の相関を示しました(r=.14~.33)。また、MPD群の平均点は2.7±0.84(各因子平均は2.5点)で学生の参加者の平均点(0.08~1.20)と比較して高いことが示されました。本論文の抄読を受けて、当科のS-PANDA研究で使用しているCATSの性質や日本での使用に関する情報を医局員間で共有しました。また、因子分析の方法と分析の意味について基本的な情報の確認をしました。

Sanders & Becker-Lausen. The measurement of psychological maltreatment: early data on the Child Abuse and Trauma Scale. Child Abuse Negl. 1995 Mar;19(3):315-323.

https://doi.org/10.1016/S0145-2134(94)00131-6