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抄読会 2017/11/6

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では,クロノタイプと抑うつ症状の関連を検討したメタ解析の論文が取り上げられました。20162月の時点でPsycINFOMedlineScopusGoogle Scholarにおいて「chrono type」、「circadian preference」、「diurnal preference 」、「morningness」、「eveningness」、「social jetlag」、「chronobiology」のワードを含む10644編の論文がサーチされ、最終的に除外包含基準を満たす36編(合計15734名)の論文が解析の対象となりました。変率効果モデルを用いて、全体の効果サイズを検討した結果(効果量58)、小さな効果量が認められました(z =.20; 95%CI.18 to.23)。この結果は、夜型の傾向であればあるほど抑うつ症状が強いことを示しています(夜型:1|z|:朝型)。本論文の限界点としては、サブグループ解析をするには論文が少なかった点、さらなる縦断調査が必要な点が挙げられました。本論文の結果から、夜型の傾向は抑うつ症状と関連しており、時間生物学的アプローチがうつ病の治療の予防に寄与する可能性が示唆されました。本論文の抄読を受けて、当医局では年齢や性別のバイアスが大きく影響しているのではないかという疑問点、双極性障害のクロノリズムを測定した尺度の多くがthe Composite Scale of MorningnessCSM)であり、CSMの効果量が大きかったことから、双極性障害においてクロノリズムと抑うつ症状の相関が強いではないかという点について議論されました。

 Au, J. & Reece, J. The relationship between chronotype and depressive symptoms: A meta-analysis. J Affect Disord. 2017 Aug 15;218:93-104.

doi: 10.1016/j.jad.2017.04.021.