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抄読会 2017/9/4

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では,高齢者のせん妄に対するスボレキサント内服の効果を検討した論文が取り上げられました。日本の医療機関の救急外来に受診した高齢者で、せん妄のリスクが高い者1419名が対象となり、そのうち除外包含基準を満たした72名が本研究の調査参加者となりました。72名の参加者をランダムにスボレキサント内服群とプラセボ群に振り分け,投与後4日間のせん妄予防効果の有効性を検討した結果、スボレキサント内服群はプラセボ群と比較して有意にせん妄の出現が少ないことが示されました。これらの結果から、急性期の治療において、せん妄のリスクがある高齢者に対するスボレキサント内服にはせん妄の予防効果が期待できる可能性が示唆されました。本論文の抄読を受けて、当医局では日頃のスボレキサントの使用や、スボレキサントと組み合わせている薬剤について、実臨床での薬物使用状況を医局員間で共有することができました。また、ランダム化比較試験の論文を読むときの知見の理解の仕方とその限界点についても議論されました。

Hatta, K., et al. Preventive Effects of Suvorexant on Delirium: A Randomized Placebo-Controlled Trial. J Clin Psychiatry 2017; 16m11194.

doi: 10.4088/JCP.16m11194.