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抄読会 2017/7/31

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、客観的社会経済状況(SES)と主観的社会的地位(SSS)と、抑うつ症状との関連を検討した論文が取り上げられました。2013年に実施されたドイツ健康更新調査(ドイツの成人を対象とした全国調査)のデータを使用しました(男女4952名)。解析の結果、SESの低さとSSSの低さは(背景要因を調整した後も)現在の抑うつ症状と関連していることが示され、その関連性は,男女ともに認められました。また、媒介分析の結果、客観的SESと抑うつ症状の関連は有意にSSSを媒介することが示されました。これらのことから、成人のSSSの低さが、うつ病の病因に関連している可能性があり、他覚的SESと抑うつ症状との間の関連を媒介要因として作用する可能性があることが示されました。しかし、この調査は横断的であるため変数間の因果関係を明らかにする必要があります。本抄読を受けて、論文中の媒介分析の手法について議論となり、(縦断的な研究の必要性はもちろんのことながら)因果関係の推定のための統計の手法の適切性について議論が交わされました。

Hoebel, J. Social Inequalities and Depressive Symptoms in Adults: The Role of Objective and Subjective Socioeconomic Status. 2017 Plos One; 2017; 12(1): e0169764.

DOI: 10.1371/journal.pone.0169764

PMID: 28107456