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抄読会 2017/2/27

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、家族関係によって経過の悪化が懸念される思春期前期の少年のケース報告論文がとりあげられました。近年、批判されているという認識(Perceived CriticismPC)という観点から家族関係の不良さの評価がされ、PCの高い者の臨床的予後が不良であることが報告されています。PCとは患者が重要な他者(主に家族や恋人)から受けていると感じる批判の認識の程度のことを指します。本ケースでは、高PC10点満点中7点)で双極性障害のハイリスク群である少年の家族関係に注目し、詳細なケースフォーミュレーション・具体的なコミュニケーション訓練と問題解決の方法が記述され、家族関係介入後に予後が良好になる旨が示唆されました。介入の結果PCの低下が認められ、家族関係の不良な者を早期に特定・介入することの重要性が強調されました。

本論文の抄読を受けて、本症例の少年の問題行動が疾患からくるものなのか思春期心性なのかの区別をどうつけるべきか、思春期少年に対する薬物使用の是非について議論されました。

Hooley, J. M., & Miklowitz, D. J. Perceived Criticism in the Treatment of a High-Risk Adolescent. 2017 J Clin Psychol online.

doi: 10.1002/jclp.22454.