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抄読会 2017/2/20

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、低"主観的社会経済的状況(Subjective Socioeconomic Status:SSS)"体験と食欲の関連を検討した論文が取り上げられました。本論文では、低SSS体験と食欲に関連した4つの実験的研究が紹介されました。研究1の結果から、(食事制限などの)ダイエットをしていない低SSS体験をしている者ほど摂取カロリーが高いことが示されました。次に、研究2の結果からダイエットをしていない者の中でも低SSS体験をした者は無意識的にカロリーの高い食品を選択する傾向があることが示されました。さらに、研究3では、低SSS体験をしたものが実際に無意識のうちに高カロリーの食品を選択し、より多くの食べ物を摂取することが示されました。最後に、研究4の結果から、低SSS体験をした群は高SSS体験をした群および統制群と比較してより多くの食べ物を摂取していることが示されました。以上のことから、低SSS体験が高カロリー摂取に関係していることが実証的に示され、低SSS体験に対する介入の必要性が示唆されました。

本論文の抄読を受けて、当医局では本研究の対象者の元々のSSS食習慣がどのようになっているのかなど背景情報に関する疑問が上がりました。また、本論文のように実験的手法によって、各要因の関連を検討することに注目が集まり、本論文で記載されている具体的な手続きについての議論が広げられました。

※ 低SSS 体験とは明らかに平均よりも高い水準の生活をする者と比較して自分のSSSを評価する体験である。一方、高SSS体験とは平均よりも明らかに低い水準の生活をするものと比較して自分のSSSを評価する体験である。

 

Cheon, B. K., & Hong, Y. Y. Mere experience of low subjective socioeconomic status stimulates appetite and food intake. 2017 Proc Natl Acad Sci U S A 114(1):72-77.

doi: 10.1073/pnas.1607330114.