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抄読会 2017/1/30

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、マインドフルネスに基づく認知療法(MBCT)と対照群(維持療法としての抗うつ薬投与のみ)の24か月の経過を比較検討した論文が取り上げられました。対象者として、イギリスの18歳以上の大うつ病性障害(完全/部分)寛解患者28597名が研究に応募しました。応募した対象者のうち除外包含基準を満たした424名がMBCT群と対象群に振り分けられました。MBCT群は毎週2時間半のセッションを8回と翌年には3か月に一回の回復セッションを実施し、対照群はかかりつけ医のNICEのガイドラインに基づく維持薬物療法を受けました。その結果、24か月時点でのMBCT群と維持薬物療法群それぞれの抑うつ症状の重症度や再発率に有意差は認められませんでした。また、再発までの期間、うつの残遺症状、QOLの良好さにおいても差は認められませんでした。本論文の抄読を受けて、双方の治療方法のアウトカムに差が見られなかったものの、MBCT群は減薬ができた者が多かった(MBCT群の約70%)結果などがある点が指摘され、本結果の解釈の上で副次的な効果を考慮に入れることが重要ではないかと議論されました。

 

Kuyken, W., et al. Effectiveness and cost-effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy compared with maintenance antidepressant treatment in the prevention of depressive relapse or recurrence (PREVENT): a randomised controlled trial. 2015. Lancet. 386, 63-73.

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62222-4