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抄読会 2017/1/23

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、イギリスの3地域に住む単極性大うつ病性障害の青年(11-17歳)470名を対象に、認知行動療法、短期力動的精神療法および短期心理社会療法の効果を検討した論文が取り上げられました。参加者を(1)認知行動療法群、(2)短期力動的精神療法群(3)短期心理社会療法群の3群にランダムに振り分け、平均24.9~27.9週の期間(治療のセッション数は異なる者の終了時それぞれの期間に差は認められなかった)の心理療法が実施されました。その結果、すべての群の抑うつ症状、身体的有害事象(睡眠障害、疲労感など)、治療にかかるトータルコストに差は認められませんでした。以上のことから、いずれの治療方法であっても、単極性大うつ病性障害に同程度の効果があることが示されました。本論文の抄読を受けて、当医局の心理士が取り組んでいる短期力動的精神療法の具体例についての紹介があり、臨床と研究の双方の情報を理解・共有する機会となりました。

 

Goodyer, I. M., et al. Cognitive behavioural therapy and short-term psychoanalytical psychotherapy versus a brief psychosocial intervention in adolescents with unipolar major depressive disorder (IMPACT): a multicentre, pragmatic, observer-blind, randomised controlled superiority trial. 2016. Lancet Psychiatry. Online.

DOI: 10.1016/S2215-0366(16)30378-9.