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抄読会 2016/11/28

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では,双極性障害患者に対して家族焦点化療法(Family-Focused Therapy: FFT)と危機マネジメント(Crisis ManagementCM)の効果を無作為化比較試験にて検討した論文が取り上げられました。101名の双極性障害患者が1)FFTおよび薬物療法の併用群と2)低強度のCMと薬物療法併用群の二群にランダムに振り分けられ,双方の治療を9か月にわたって受けました。その結果FFT群の再発率はCM群よりも有意に低く(FFT群:31名中11名(35%)VS CM群:70名中38名(54%)),再発するまでの期間が長い(FFT群:平均73.5±28.8週)VS CM群:53.2±39.6),ハザード比:0.3895%信頼区間:0.200.75p0.03)ことが示されました。また,FFT実施群はCM実施群と比較して2年後の時点における抑うつ/躁症状が少なくおよび服薬アドヒアランスも良好であることが示されました。本論文の抄読を受けて,当医局では家族介入をどのように実臨床に取り入れていくと役に立つかという視点や,無作為化比較試験を実施する上での方法論に関して活発に議論がされました。

 

Miklowitz, et al. A randomized study of family-focused psychoeducation and pharmacotherapy in the outpatient management of bipolar disorder. Arch Gen Psychiatry, 2003 Sep;60(9):904-912.

doi: :10.1001/archpsyc.60.9.904