News お知らせ

抄読会 2016/11/21

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、主観的社会的地位と年齢経過の関連を検討した10年間の縦断研究の論文が取り上げられました。アメリカオハイオ州のPrinceton School研究によって収集された7436名のデータのうち除外包含基準を満たした1,851名が流跡線解析の分析対象となりました。また、解析の結果,主観的社会的地位の変化は5種類のパターンがあることが示されました。この結果,5種類のパターンのうち4種類は青年期初期(12歳時)の主観的社会的地位は成人期(28歳時)においても大きく変わらず比較的に安定していることが示されました。一方,5種類のパターンのうちの1種類(全体の9.1%)において青年期初期の主観的社会的地位が成人になってから低下することが示されました。また,816名を対象にさらに解析を行ったところ、成人期の主観的社会的地位の低下に関連する要因は、人種、収入が低いこと、親の教育歴の低さが関連していることが示されました。現在、当医局では主観的社会的地位と精神疾患や幼少期の体験の調査に注目が集まっており、先行研究との比較や文化差について活発に議論されました。

 

Goodman E, et al., Developmental Trajectories of Subjective Social Status. Pediatrics. 2015 Sep;136(3):e633-640.

doi: 10.1542/peds.2015-1300.