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抄読会 2016/10/3

投稿者 : HP管理者

カテゴリ : お知らせ

本日の抄読会では、反社会性パーソナリティー障害(ASPD)に対する心理療法(Mentalization-based treatmentMBT)とStructured clinical managementSCM))の治療効果をランダム化試験で比較した論文が取り上げられました。18歳から65歳までのBPD治療のために募集された境界性パーソナリティー障害(BPD)患者158名のうちSCID-ⅡによりBPDASPDの診断を同時に満たした40名が解析の対象となりました。それぞれの介入(18か月、平均140セッション)の結果、MBT群はSCM群と比較して、自傷行為、自殺企図、入院、妄想の回数に有意な改善が認められました。また、両群において怒り、不安、抑うつの改善が時間経過とともに認められました。本研究の結果からBPDに加えてASPDをもつ難治性の病態に対してもMBTの適用が有効である可能性が示唆されました。本論文の抄読を受けて、8/29の抄読と同様にBPD治療の困難さに関する再確認とASPDの合併例の臨床像に関する事例を含めた理解の促進がなされ、具体的なMBTの内容に関する議論が行われました。

 

  MBT(メンタライゼーション療法)

MBTとはこのような自分や他の人の心の働きを理解する能力を上げる治療法。メンタライジング能力が向上することで、行動コントロールの改善、感情コントロールの改善、親密で心地よい人間関係を形成、人生の目標追求する能力を高めることができるとされています。

  SCM(構造化されたマネジメント治療)

イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)によって推奨されている標準的な治療法

 

Bateman, A., et al. A randomised controlled trial of mentalization-based treatment versus structured clinical management for patients with comorbid borderline personality disorder and antisocial personality disorder. BMC Psychiatry 2016. 16:304. 

doi: 10.1186/s12888-016-1000-9. 2016 Aug 30.